■推(お)し
【辞書】「推す」の名詞形。人や物事を他に薦めること。
【意味】応援する対象。その対象の夢や目標を達成するために、こちらも努力を惜しまず協力したいと思わせる人物。〔「存在してくれるだけで今日も幸せ」と思わせるような、もはや崇拝対象に近い場合もある〕
【用例】『推しがいるから、今日も幸せ〔=推しという存在が、私に幸せをもたらしてくれています。ありがとうございます〕』『推しは推せるときに推せ〔=将来的にメディアへの露出が少なくなる可能性もあるのだから、メディアに露出しているうちは、全て買い占める勢いで、グッズを買っていこう。イベントにも参加していこう。課金していこう〕』

書影オタク用語辞典 大限界』(小出祥子編/名古屋短期大学小出ゼミ(2022・2023年度生)著/三省堂)

■解釈一致(かいしゃくいっち)
【意味】作品に対する自分なりの理解が他の人と同じであること。また、公式や原作と自分の理解が同じであること。←→解釈違い
【用例】『神絵師が描く二次創作、ほんと解釈一致だわ』

■解釈違(かいしゃくちが)い
【意味】作品に対する自分なりの理解が他の人と異なること。また、公式や原作と自分の理解が異なること。←→解釈一致
【用例】『運営さん、解釈違いです』

■開封の儀(かいふうのぎ)
【辞書】東大寺正倉院の宝庫の扉の封印を解く、年に一度の儀式。
【意味】うやうやしく丁寧に儀式めいた様子で、購入したグッズの封を開けること。その様子を撮影し、SNSに投稿することもある。
【用例】『只今より、開封の儀を執り行う』

■界隈(かいわい)
【辞書】その辺りの地域。近所。
【意味】特定のジャンルや分野。
【用例】『最近BL界隈だと、何が流行っているのです?』

■勝(か)たん
【意味】「○○しか勝たん」の形式で用いられ、○○が無条件で最高であることを表す。「やっぱり推しが一番!」と思ったときに発する表現。○○の部分には推しの名前のほか、必殺技名などが入る。
【用例】『可愛いキャラが出てきたけど、最終的に推ししか勝たんのよ』『やっぱ、真銀斬〔=ゲーム「アークナイツ」のキャラクター・シルバーアッシュの必殺技〕しか勝たん!』

■ガチ恋勢(こいぜい)
【意味】特定のキャラクターやアイドルに本気で恋をしている人々。〔「リアコ」は主に女性ファンに使用されるのに対して、「ガチ恋勢」は男女問わず使われる傾向がある〕
【用例】『ガチ恋勢だから毎日起きた瞬間から眠るギリギリまで推しに思いを馳せてる』

■ガチ勢(ぜい)
【意味】〔対象をただ楽しむだけでなく〕多くの時間や資金を費やして、その対象との関わりを極めようとしているファンやプレイヤー。その対象がゲームであれば、得点やテクニックを極めようとしたり、アイドルであれば、ライブへの全通やグッズへの重課金をしたりする。
【用例】『ガチ勢のお姉さんがカッコよすぎた』

■壁(かべ)になりたい
【意味】推しや推しカプの全てを至近距離から見ていたいものの、直接的な関わりは持たずに、推しには決して干渉しない第三者として存在していたい。むしろ存在は消していたい。
【用例】『阿部ちゃんの部屋の壁になりたい…勉強机でもいい…』

■逆張(ぎゃくば)りオタク
【意味】流行に対して、意図的に逆行しようとするオタク。
【用例】『わたし逆張りオタクだけど、逆張りの逆張りしたら戻ってきた!〔=多数派の逆のさらに逆になったため、結局多数派になった〕』『逆張りオタクだから流行り物は流行り終わってから読む派』

■草(くさ)
【辞書】木ではない柔らかい植物の総称。
【意味】笑えるほど滑稽でおもしろいこと。また、「草生える」で笑っていること。〔元々、「w」で笑っていることを表現していたが、それが草が生えているように見えるため、草の一言で表現されるようになった〕
【用例】『オタク用語辞典のタイトルが大限界なの草』

■限界(げんかい)オタク
【意味】オタクの中でも、推しへの愛情や熱量が限界に達しており、そのために言動が痛々しく、人間としても限界を迎えてしまった究極のオタク。人間を卒業してしまったといっても過言ではなく、急に挙動がおかしくなったり〝発狂〟しだしたりするため、取り扱いには十分気をつけるべし。(好き)
【用例】『限界オタクすぎて最新話のこと考えただけで動悸する』

■古参(こさん)
【辞書】古くからその組織で仕事などをしていること。
【意味】あるジャンルやグループができ上がった初期からのファン。古株。←→新規
【用例】『古参の方が新規の私にも本当に優しくて、このグループのファンが増えているのも、古参の方の力があるのだなと思いました』

■死亡(しぼう)フラグ
【意味】今後のストーリー展開で、死亡することを予測させる行動。例えば、戦いに出る前に「この戦いが終わったら、俺、結婚するんだ」と幸せそうな様子を見せたり、殺人鬼がいるとされる環境で、助かるために単独で逃げようとするなどのお約束的行動をとった者は、その後死亡することが多い。
【用例】『死亡フラグなんて叩き折れ』

■タヒる
【意味】死ぬ。半角片仮名で「タヒ」と横書きに並べると漢字の「死」に似ていることから。
【用例】『ゲームしすぎて3徹はさすがにタヒる』

次回は「K-POP界隈」からです!