
オタク女子学生12名が、自分たちの周りで使われているオタク用語約1600項目を採集し、語釈と用例を付した『オタク用語辞典 大限界』。一般的なオタク用語はもちろん、「K-POP」「2.5次元」「ポケモン」「原神」「日本の男性アイドル」などの「界隈」ごとに全14章で構成される。テレビやラジオ、新聞等で話題のこの『大限界』から一部を紹介します。実際にオタク用語を日常使用している学生たちが、青春を捧げて書いた「パッション」と「ユーモア」溢れる、「生きた」解説をお楽しみください!
1982年愛知県生まれ。名古屋大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。名古屋短期大学現代教養学科准教授。ゼミ生に影響されて、オタ活に興味津々。主な著書に『実践 日本語表現―伝わる日本語を身につける―』(共著・学術図書出版社)、論文に「奈良時代語における助辞ケリと助辞ケム」(名古屋大学国語国文学113.2020)、「目的語となる上代の準体句について」(名古屋言語研究12.2018)、「上代日本語における視覚の対象と現実/非現実領域:「見む」に注目して」(美夫君志87.2013)などがある。
オタク……推しのために自身が持つありとあらゆるものをなげうつことができる者。推しの話題になると、突然、早口クソデカボイスになることでも知られる。「ヲタク」とも表記される。略して「オタ」「ヲタ」。
今回は第1章の「オタク共通用語」から20の用語を紹介します。
■アクスタ
【意味】アクリルスタンドの略。立てられる設計になっていて、アニメキャラやアイドルのグッズとしてよく作られる。家に飾るだけでなく、イベント会場や聖地、映えスポットなどに持ち出され、外で撮影されることも多い。
【用例】『コージのアクスタ持ってお散歩行ったけど、ピントがどうしても後ろの草に合っちゃって、写真上手く撮れない…』
■古(いにしえ)の○○
【意味】オタク歴の長い人や古いネット文化を知っている人。○○には「オタク」「腐女子」「夢女子」などが入る。
【用例】『古のオタクだからネチケットにはうるさいよ』
■インターネット老人(ろうじん)
【意味】昔のインターネットを懐かしむ人。1990年代~2000年代前半のインターネットに触れ、楽しんでいた層。総称として「インターネット老人会」ともいう。
【用例】『そのネタ知ってるのはインターネット老人すぎる』
■エアプ
【意味】エアプレイの略。知ったかぶり。〔ゲーム界隈を中心に使用されていたが、最近では他の界隈でも使用されている〕
【用例】『ロスト知らないとか、FE〔=ファイアーエムブレム〕エアプかよ!』
■ATM(エーティーエム)
【辞書】automated(automatic) teller machineの略。現金自動預入支払機。
【意味】推しを応援するために、とにかくお金を使う人のこと。また、その行為。
【用例】『推しのATMになりたい』