欧州全域に及ぶ大規模な軍備増強は、各国政府が長年果たせなかったことを成し遂げるかもしれない。すなわち停滞する経済を活性化し、新たなイノベーションの種をまき、新産業を創出することだ。英国をはじめドイツ、デンマークなどはロシアの脅威に対抗するため、軍事支出の大幅増額を発表している。その一方で米国は欧州に対し、米国による保護を当然だと受け止めるべきではないと警告している。一部の経済専門家は、圧力にさらされる製造セクターを支え、新たな成長や輸出のエンジンを全開にさせるため、これはまさに欧州が必要とするものかもしれないと見ている。ただ、その過程では、高技能人材の不足といった数々のハードルに遭遇するだろうし、報酬の分配が均等にならない可能性もある、と彼らは警告する。