米株式市場ではS&P500種指数が調整局面入りし、ウォール街では「リセッション(景気後退)」という言葉が飛び交っている。株価の行方をドナルド・トランプ大統領の貿易戦争と結びつけたくなるのはもっともだ。だが投資家は、危険は多方面からやってくる可能性があることを忘れてはならない。株式市場では今週、様子見姿勢が強まった。週明けのS&P500種は上昇した。4月2日に予定される関税措置が当初の予想よりも対象を絞ったものになるかもしれないとの報道が材料視された。ところが26日には、自動車メーカーは関税を完全に免れることはできないことが報じられて下落した。米連邦準備制度理事会(FRB)のエコノミストを含め、多くのエコノミストは経済成長率の見通しを下方修正する理由として関税を挙げている。連邦政府職員の削減と移民の減少は消費をさらに圧迫する可能性がある。自動車メーカーや専門小売業者を含むS&P500種の業種別指数「一般消費財」は年初来で11%下落した。
米株式市場の問題、トランプ氏だけのせいではない
貿易戦争で不確実性が高まったとはいえ、利益成長の鈍化と労働市場の減速がいずれにせよ市場に影響を与えた可能性はある
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