人生の後半を楽しむために
承認欲求から逃れる
40代くらいまでは、他人との比較や、他人からの評価を価値の中心に置きがちです。
たとえば、フェラーリを買いたいという欲求には、純粋にクルマに乗りたいという以上に、「フェラーリを買うことができる人だと認められたい」という承認欲求が含まれています。
会社でも「上司に評価されたい」「お客さんに評価されたい」など、承認欲求を満たすことが頑張りの原動力となっています。それが業績や評価にも直結しますから、無理もないことです。
でも、定年退職をしたら、そうした評価は不要です。もう自分が好きなように生きていけます。いつまでも他人の顔色をうかがう必要はありません。
そもそも、若者と張り合っても体力や気力では勝ち目はないですし、みじめなだけ。だから、50代は価値観をシフトチェンジしてラクな生き方を追求したほうがいいと思います。
これからは、たとえば今さら通勤に便利な場所に大きな持ち家を持つことにこだわる必要はありません。人それぞれの終の住処を見つければいいのです。
豪勢な食事を口にしても、かえって健康を害することになるので、体にいい普通の食事を楽しむほうが大事です。
アメリカには「アーミッシュ」と呼ばれる人たちがいて、テレビやスマホ、クルマなどの文明の利器をほとんど使わず、農業や牧畜を営みながら自給自足の生活を送っています。
彼らはお金もほとんど消費しないので、倒産や老後破産といった言葉ともまったくの無縁です。
さすがに、そこまでの生活はできないにしても、彼らの身軽な暮らしはもっと高齢になったときに参考にできるのではないかと予感しています。
いずれにせよ、人からよく見られたいとか、人よりも成功していると思われたいという欲求も捨てたほうが、人生の後半は楽しいと思います。
今のうちに承認欲求から逃れておけば、この先20年も30年も自由に生きていけると思います。
50代からの健康戦略
その基本は食にあり
年齢を重ねるにつれ、誰しも健康上の問題が少しずつ表面化していきます。
私の周りでも、「筋力が落ちた」「体の無理がきかなくなった」「すぐに疲れてしまう」「体力の回復が遅くなった」と訴える人が少なくありません。