
本を読んでも、血肉にならないと意味がない。読書から学び、自分ごとにするにはどうすればいいのか。『読書は「アウトプット」が99%』の著者でもある藤井孝一氏が、読書術とおすすめの3冊を紹介する。本稿は、藤井孝一『50代がうまくいく人の戦略書 仕事、人間関係、生活を「シフトチェンジ」する方法』(三笠書房)の一部を抜粋・編集したものです。
インプットの読書では不十分
アウトプットを前提に本を読む
勉強の手段として有効なのは、なんといっても読書です。
本を読むと思考力が高まり、思考習慣が身につきます。また、知識や語彙力が増え、想像力がアップしたり、コミュニケーション力が向上したりする効果もあります。たとえばビジネスチャットのやりとりも的確なものとなり、誤解が少なくなります。
ただし、ひたすら読むだけのインプットの読書では不十分です。ただでさえ現代人はネットニュースやYouTubeなどの閲覧時間が長く、インプット過多に陥っています。インプットばかりしていたら、アウトプットの時間が削られ、インプットした情報を生かす余地がなくなります。
読書の効果を得るためには、「アウトプット」を前提に読むことが不可欠です。本の内容について、思考し、その内容を人に伝えたり、内容を実際の行動に移したりするアクションが大事ということです。
私は、アウトプット重視の読書法について『読書は「アウトプット」が99%』(三笠書房)という本で解説したことがあります。
そこでお伝えしたポイントの1つ目は「話す」です。読んだ本の内容を、家族や友人に話してみるだけでも大きな意味があります。
「読んだ内容を人に話す」という前提で読めば、本の内容をより正確につかもうとする意識が高まります。
また、記憶力とは覚える力ではなく「思い出す力」です。読んだ内容を思い出して話すことで、はじめて記憶になります。内容を頭に定着させるには、人に話してアウトプットすることが効果的です。
読書メモは手書きがおすすめ
速いうえに脳に定着する効果も
2つ目のポイントは「書く」です。
読んだ本の内容や感想をSNSやAmazonのレビューに投稿します。投稿にあたっては読書メモをつくっておきましょう。読書メモとは、本の内容を一枚の紙に要約してまとめたものです。
メモの取り方は自由ですが、私の場合はA4の紙をホワイトボードのように横に使います。そこに本のポイントやキーワード、各章のアイデアやメッセージを箇条書きで記入していきます。