若い頃と比較すると、健康診断の数値も明らかに悪化していきますし、「体が硬い」「目が見えにくい」「歯が弱ってきた」といった症状も顕著になっていきます。

 だからといって「年だからしかたがない」と衰えるに任せていると、坂を転げ落ちるように、あっという間に老け込んでしまいます。

 健康を若い頃に戻すことは難しいですが、「守る」ことはできます。50代からは、体を大事に保っていくための健康戦略が求められます。

 健康の基本は食にあります。私の場合、食事は栄養バランスを考えながら、できるだけ3食同じ時間に食べることを心がけています。

 もともと野菜が好きなので野菜は積極的に摂取していますし、納豆やヨーグルトなどの発酵食品も好んで口にしています。

 食事の量に関しては、以前は食べすぎで体重管理に悩んでいましたが、現在はご飯の量をはかりで量った上で食べるなど、摂取カロリーを意識しています。

 食べすぎを防ぐ上で効果的だったのは、外食の回数を減らしたことです。

 そもそも外食産業は、あの手この手で私たちを食べさせようとします。

 たとえば、ラーメン屋さんでラーメンを注文すると、無料でご飯がついてくることがあります。「いりません」と断れば済む話なのですが、無料といわれると、食べないと損をしたような気になります。本当はいらなかったはずなのに、ついつい余計なカロリーを口にしてしまうわけです。

 意志の力で食欲を振り切るのは難しいですが、外食そのものを減らせば誘惑にさらされる機会を回避できます。

食べすぎ&飲みすぎを
防ぐ工夫をする

 最近は自分で弁当をつくって仕事場まで持参しています。弁当をつくるようになったのは、料理をはじめたことが最大の理由ですが、コロナ禍がちょうどいいきっかけとなりました。

 以前は、ランチの時間を商談や人脈づくりに利用することが多く、突然誘われることも少なくなかったので、弁当は持たない主義でした。

 しかし、コロナ禍では会食の機会が一気になくなりました。そこで、外食をする代わりに自分で弁当をつくって持参するようになったのです。

 弁当箱は大きさが決まっているので、ご飯やおかずの詰めすぎを物理的に防ぐことができます。ランチを自前の弁当に変えただけで、食べすぎを解消できました。

 弁当をつくるようになって、外食の味つけが濃いことにも気がつきました。