たまに出入りの業者さんに入館証を渡す程度ですし、重いものを運んだり接客をする必要もない。つまり、精神的にラクなんです。
警備員さんの年齢を見ていると、70代、80代の方も多い。要は需給の関係で、高齢者でも積極的に採用してもらえるわけです。たしかに重い荷物を持つこともなく、ただじっとしている時間が多いので、体力が不安な方でも安心です。まさにシニア向けの仕事と言えます。
でも、逆に暇すぎて「つまらない」と感じる人もいるかもしれません。職場での出会いを求めている人にとっては、警備員の仕事は少しつらいかもしれません。
とはいえ暇な時間を楽しめる人、黙々と作業をするのが得意な人には最適な仕事です。
定年後も働きやすい四大職業
(2)管理人
「マンション管理人」とは、住民が安心して快適に暮らせるよう、日々の管理やサポートを行う重要な仕事です。おもな業務としては、設備の点検や共有部分の清掃、廊下の電球や非常灯の確認などがあります。
電球の交換など簡単な作業は管理人が対応しますが、電気系統に問題がある場合は管理会社を通じて業者に修理を依頼するなど、適切な対応が必要です。
また、管理人室での窓口対応も重要な仕事です。宅配便の受付や訪問客の対応、電話応対、共用施設の利用希望者への鍵の受け渡しや使用上の注意事項の説明も含まれます。
さらに住民からのクレーム対応も管理人の重要な仕事のひとつ。たとえば「隣家の荷物が廊下にはみ出している」など、日常のトラブル解決にも奔走することが多いです。住民との良好な関係を築くことが、仕事をスムーズに進めるカギになります。
つまりマンション管理人とは「なんでも屋さん」のような存在で、住民から頼りにされやすいのです。ときには「業務外?」と思えることを頼まれても、にこやかに対応する姿勢が大切です。理不尽な要求に応じる必要はないですが、住民との日常的なやり取りが円滑なほど、仕事をしやすくなるのも事実。つまり感情労働の要素が大きいですよね。
接客業の経験があったり、社交的というか忍耐力があるというか、「頭を下げるなんてタダ」と割り切れる人には向いています。
この管理人という仕事は、シニアの方にピッタリだと私は思います。なぜなら、「年齢を重ねていること」「人生経験があること」が強みになるからです。