【高校にも塾にも通わず、完全独学で東大合格!】――しかも、首席合格とわずか3点差のほぼトップ合格!『成績アップは「国語」で決まる! 偏差値45からの東大合格「完全独学★勉強法」』(ダイヤモンド社)の著者は、中学3年生のときに「東大合格」を宣言。高校にも塾にも通わず、完全独学で東大合格を目指したけれど……全国模試は「偏差値45」。そこで、徹底的に「国語」鍛えるという“大逆転の勉強法”を編み出す。勉強の大半を「読書に費やす」という常識外れの戦略で、全科目の成績が軒並みアップ! すべての科目は結局、国語の力がモノをいうことがわかった。コスパとタイパを徹底し、四コマ漫画や恋愛ゲームで楽しみながら学力を高める方法から勉強への合理的なモチベーションの高め方までを徹底指南。超★実践的な成績アップ法を初公開する。
※本稿は、『成績アップは「国語」で決まる! 偏差値45からの東大合格「完全独学★勉強法」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。

音読中心の授業で気づいたこと
日本の教育現場では、昔から「読む=音読」というイメージが強いようです。声に出して読む音読をすすめる教育者もいますが、こと受験勉強に関して僕は自分の経験を踏まえて「黙読」を強くオススメしたいと思います。
僕がそのことを初めて認識したのは、ドイツで暮らしていた15~16歳の頃。ドイツ語を特訓しようと通った現地の語学学校が、音読を推奨していたことがきっかけでした。
授業は、すべてドイツ語で行われていました。テキストをドイツ語で音読した後、「ナオキ、この文章を読んでどう思った?」といった質問をされるのですが、僕はまったく答えられませんでした。
音読は脳のリソースを奪う
声に出して読むことに脳のリソースを使ってしまい、文章の内容が記憶として定着しなかったのです。
英語の文章を読むにしても、音読よりも黙読のほうが、より内容を理解できることを実感すると思います。
スピードも黙読が圧倒的に速い
また、スピードの面でも、私が行った東大生を対象とした実験から、黙読は音読のおよそ2.7倍のスピードでできます。
その分だけ同じ時間内に何度も何度も読めるようになり、反復学習によって記憶を強く定着できるのです。
「声に出す」ことのデメリット
「読む」に「声に出す」という作業を加えてしまうと、情報を素早くインプットできるという「黙読」のメリットが削がれるので、僕は音読より黙読をオススメするのです。
学校教育の現場で音読が盛んに行われているのは、教科書の記憶や読解力を深めることをいちばんの目的にしていないからではないかと思います。
教科書などに書かれている漢字などの言葉を、日本語の“初心者マーク”をつけているような子どもたちが、きちんと読めているかを把握する目的で行われているのだと僕は思っています。
クラス全体での音読によるスクリーニング
本来なら教師は、子どもたち1人ひとりと向き合い、学習の習熟度を確かめながら授業を進行するべきです。しかし、1人で30人以上の子どもたち1人ひとりと向き合う余裕は、時間的にも体力的にもないでしょう。
そこでクラス全員で、同じ文章を一斉に音読させてスクリーニングして、うまく読めていない子どもをいち早く見つけ出して、丁寧にケアするため、音読が活用されているように思えるのです。
試験対策としては「黙読」一択
そもそも、試験に関して言えば、試験中に音読はできないため、むしろ「音読をしなければうまく理解ができない」という状態は早めに解消しておくべきでしょう。
「黙読トレーニング」実践方法まとめ
1.最初は「スピード」を意識しない
最初から速く読もうとしない。意味をしっかりつかみながら黙読することを優先する。「どんな内容が書かれていたか」を頭の中で要約できればOK。
2.意味のかたまり(チャンク)で読む
一語ずつ追うのではなく、意味のまとまりごとに視線を動かす。
例:「江戸時代の貨幣制度」「中世の荘園制度」など、ひとかたまりで理解する。
目を滑らせるのではなく、理解しながら読む。
3.読んだ後、すぐに「思い出す」
1ページ読んだらすぐ、「このページには何が書いてあったか?」を頭の中で再生する。声に出さずに、心の中でざっくり要点をまとめる練習をする。
→ これにより記憶が強化される。
4.短いスパンで「何度も」読む
一度で完璧に覚えようとしない。同じページを短期間で何度も繰り返し黙読する。
1回目:ざっくり理解
2回目:より詳細を理解
3回目:全体をスムーズに再生できるか確認
→ この反復が、理解と記憶を圧倒的に定着させる。
5.時間を計って黙読スピードを可視化する
同じ教材で何分で1周読めるかを測る。繰り返すうちに、「黙読スピードが上がる→復習回数が増える→記憶がさらに定着する」という好循環を作れる。
黙読トレーニング成功のポイント
「速さ」ではなく「理解+記憶」を最優先する。
繰り返し読むことを恐れない。
読んだ直後の「思い出し」で定着力アップ。
時間管理(可視化)を取り入れるとモチベーションも維持できる。
※本稿は、『成績アップは「国語」で決まる! 偏差値45からの東大合格「完全独学★勉強法」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。