米ハーバード大学のアラン・ガーバー学長の双肩には、高等教育の重みがのしかかる。国内最古で最も裕福な大学のトップを務める同氏は、米国の大学を作り変えるドナルド・トランプ大統領の取り組みへの抵抗を主導している。トランプ氏がこれまで講じた手段には、何十億ドルもの研究助成金の停止や、外国からの資金や留学生の調査、長年続いてきた大学の免税資格を取り消すという脅しなどがある。ハーバード大はこれに反発している。反ユダヤ主義への大学の対応を巡る交渉で突きつけられた要求をはねつけ、トランプ政権が20億ドル(約2900億円)余りの政府助成金を凍結したのに対し、 同政権を提訴した 。何らかの和解が成立しない限り、両者は夏には法廷の場で争うことになる。トランプ政権は5日、さらに対立を激化させた。リンダ・マクマホン教育長官が同大に 新たな連邦助成金の提供を行わない と通知する書簡を送った。