特集『総予測2025』の本稿では、長らくホワイトハウスで要職を務めた米ハーバード大学ケネディ行政大学院のロジャー・ポーター教授を直撃。ブッシュ政権時に大統領補佐官を務め、1977年からハーバード大学の教壇に立つ看板教授のポーター氏に、米大統領選挙の背景やトランプ次期大統領の経済政策の評価、政権運営見通しや日本企業への助言に至るまで、自身の考えを明かしてもらった。(聞き手/ダイヤモンド編集部 竹田幸平)
元ホワイトハウス高官が
トランプ氏の経済政策を大分析
――ハーバード大学で「The American Presidency(米国の大統領)」という授業を担当する教授として、米国政治の行方を占うべく、まずは米大統領選挙の結果をどのように分析していますか。
今回(2024年11月5日)の米大統領選は、多くの点で異例でした。何しろ、選挙中のほとんどの期間、候補者は現職の大統領(ジョー・バイデン氏)と元大統領(ドナルド・トランプ氏)であり、このような事態は1892年以来のこと。選挙まで107日を残した時点で、バイデン氏は党内から相当な圧力を受けて撤退し、カマラ・ハリス副大統領が民主党の指名を勝ち取りました。
前世紀の米大統領選において、支持率が45%未満の現職の大統領は敗北し、現職の副大統領候補は5回中4回敗れています。トランプ氏は、2016年と20年の出馬時と比べてヒスパニック系や黒人、女性有権者の支持を集め、支持率は拮抗していたものの、激戦7州の全てを制することになりました。
――これまでホワイトハウスで、長らく経済政策関連の要職を務めてきました。トランプ政権が打ち出している経済政策をどう評価しますか。
次ページでは、ブッシュ政権時の米大統領補佐官を務め、1977年から名門ハーバード大学の教壇に立つ看板教授のポーター氏が、トランプ次期大統領の経済政策を評価するほか、米大統領選の背景をさらに深掘り。他にも、イーロン・マスク氏がトップに就く予定の新組織「政府効率化省(DOGE)」が与える影響や、悩める日本の企業経営者への助言に至るまで、自身の見解を余すところなく語った。