経済政策が、ドナルド・トランプ米大統領の「解放の日」の関税措置ほど大幅かつ迅速に撤回されたことはめったになかった。しかも今回の撤回はトランプ氏自身の手によって行われた。12日に、中国に対する懲罰的な関税の規模を縮小するという合意があった。トランプ氏の大きな後退は1週間足らずで2回目だ。これは経済的現実にとっての勝利であり、米国の繁栄にとっての勝利だ。現実にとっての部分的勝利といったところだろう。トランプ政権は4月2日以降に中国製品に課した145%の関税の大半を撤廃することに同意した。残りは、トランプ氏が新たに課した世界各国一律10%の関税と、合成麻薬フェンタニルの貿易における中国の役割を口実にした20%の関税で、合わせて30%だ。中国はそれと引き換えに、報復関税を125%から10%に引き下げる。交渉は続いており、この合意は90日間有効だ。
【社説】トランプ関税の大きな後退
アダム・スミスと貿易戦争を始め、敗れた米大統領
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