「自分も、もっと数字に強ければ…」
日々の買い物や職場で「数字コンプレックス」を感じたことはないだろうか。「算数や数学は大キライ…」「できるだけ見たくない…」中には「数字はもう諦めた」という人もいるだろう。
しかし実は、「数字に強い」は生まれつきの才能ではない。数字に強い人は、無意識のうちに九九などの「頭を使わないラクな計算」を使って、面倒な計算をうまくサボっているのだ。
新刊『「数字がこわい」がなくなる本』は、数字に強い人の脳内を解明した一冊。数字に強い人が無意識にやっている「頭を使わないサボり計算テク」を知れる本書の中から、今回は「数字のとらえ方」について紹介したい。

「250+130×2」電卓でどう計算しますか?
この式、「250+130×2」を電卓で打ってみてください。
どんな結果が表示されましたか?
もしかして、760ですって?
違いますよ…。正解は「510」です。
そう、実はこの違い、電卓の種類によって結果が変わるんです。
一般的に売られている“左から順に計算していく電卓”は入力順に計算します。つまり、「250+130」で先に足し算を行い、その後「×2」をかけてしまいます。一方、“関数電卓”だと掛け算が優先され、「130×2=260」を先に計算してから250を足すので、答えは510になります。数式的には、関数電卓が合っていますね。ちなみにiPhoneなどに付属の電卓アプリも関数電卓です。
つまり、同じ数式を入力しているのに、どの電卓を使うかでまったく違う答えが出るわけです。
「数字に強い人」が計算のときにやっていること
数字に強い人は「電卓が出した結果が合っているかどうか」を自分でも“ざっくり検算”しています。
たとえば「130×2なら260、それに250を足すなら510前後だよな」と先に予想ができれば、もし電卓が760と表示してきた場合に「おかしい」と気づけるのです。
一方、数字が苦手な人は「電卓が出した答え=正解」と盲信してしまいがちです。とくに仕事の場面では、ちょっとした計算ミスが大きなトラブルを生む可能性もあります。
もちろん、複雑な計算をすべて頭で行う必要はありません。ただ、すべて「機械任せ」にせずに自分でもざっと目安を考えておくのが大切です。ほんの数秒でミスに気づけるなら、絶対に検算すべきです。また、「なぜ結果が違うのか」を理解することも、大事です。
結局、電卓やExcelなどツールに全部やらせるにしても、最終的な答えを“自分の感覚”と照らし合わせるかどうかが、数字に強い人と弱い人を分けるポイントなのです。
(本記事は『「数字がこわい」がなくなる本』に関する書き下ろし原稿です)