
【コーリンガ(カリフォルニア州)】ドナルド・トランプ米大統領の 対中関税合意 をとりわけ歓迎しているのは、カリフォルニア州のピスタチオ農家だ。
カリフォルニア州中央部の農業地帯にあり、米国屈指のピスタチオ生産地であるセントラルバレーでは、最大の買い手である中国との貿易戦争をトランプ氏が再燃させたことで、農家が壊滅的な損失を危惧していた。だが12日の暫定合意で中国が報復関税を125%から10%に引き下げることに同意すると、安堵(あんど)が広がった。
「これは間違いなく良いニュースだ」。フレズノ郡のピスタチオ生産会社ウールフ・ファーミングのスチュアート・ウールフ執行役会長はこう話す。「不確実性が減ればなお良いが、生産者にとってはこれでもまだましだろう」
米国の農家はトランプ氏の貿易戦争の最前線に立たされている。第1次政権下でも農産品の輸出は270億ドル(約4兆円)余りの損失を被り、業界は救済措置が必要になった。世界有数のピスタチオ生産地であるカリフォルニア州の農家は特に影響を受けやすい。
