恋愛ゲームが“新しい国語の教科書”になる日――平安貴族も驚く言葉の進化論
【高校にも塾にも通わず、完全独学で東大合格!】――しかも、首席合格とわずか3点差のほぼトップ合格!『成績アップは「国語」で決まる! 偏差値45からの東大合格「完全独学★勉強法」』(ダイヤモンド社)の著者は、中学3年生のときに「東大合格」を宣言。高校にも塾にも通わず、完全独学で東大合格を目指したけれど……全国模試は「偏差値45」。そこで、徹底的に「国語」鍛えるという“大逆転の勉強法”を編み出す。勉強の大半を「読書に費やす」という常識外れの戦略で、全科目の成績が軒並みアップ! すべての科目は結局、国語の力がモノをいうことがわかった。コスパとタイパを徹底し、四コマ漫画や恋愛ゲームで楽しみながら学力を高める方法から勉強への合理的なモチベーションの高め方までを徹底指南。超★実践的な成績アップ法を初公開する。
※本稿は、『成績アップは「国語」で決まる! 偏差値45からの東大合格「完全独学★勉強法」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。

【プロが断言】恋愛は“読む・書く・伝える”を伸ばす最強の国語トレーニングPhoto: Adobe Stock

日本人は恋愛で国語力を磨いてきた

 歴史を紐解くと、日本人は恋愛を通して国語力を磨いてきました。

 平安時代(8世紀から12世紀)は、中国由来の漢語の影響から脱して「国語」が成立しつつあった時期です。その頃の最大の娯楽は「和歌」であり、天皇を頂点とする貴族社会から、下層官僚までが日常的に和歌をせっせと詠んでいました。

出世にも影響した“和歌力”

 人を唸らせるような和歌を詠む力(=国語力)は、出世にも響いたことでしょう。

 和歌のテーマはさまざまですが、なかでも人気なのは「恋愛」です。

平安文学の3分の1は「恋歌」

 平安時代前期に成立した『古今和歌集』は全20巻ですが、そのうち5巻(4分の1)が恋愛をテーマとした「恋歌」。全1111首のうち、3分の1の360首が恋歌なのです。

 この時期の知識人たちは「恋愛」をテーマとする和歌を交わしながら、恋愛対象者の心を震わせるために語彙力・国語力を磨いていたのです。

『君が代』のルーツも恋の和歌

 ちなみに、『君が代』の歌詞のもとになっているのは、『古今和歌集』に収められている“詠み人知らずの作品”です。

『源氏物語』は恋愛×国語力の結晶

 このように、恋愛を通して磨いた国語力の結晶といえるのが、紫式部による世界初の長編小説『源氏物語』です。

 紫式部は自分とその周辺の恋愛体験を踏まえて、稀有な文才を開花させたと考えられています。

現代に“和歌で恋愛”は難しい…

 現代でも恋愛をして和歌を交わすのが、語彙力・国語力を高める最高の方法でしょう。ただし、恋愛対象者の心を震わせるような和歌を詠むのは、バズる動画をSNSに投稿するよりも何倍、何十倍も難しいです。

 また、恋愛対象者に和歌の嗜みがない限り、一方通行になってしまいますから、平安時代の人のように和歌で切磋琢磨しながら、世界でバズるような恋愛小説が書けるまで語彙力・国語力を高めるのは難しいでしょう。

だからこそ、現代は恋愛ゲーム!

 そこで頼りになるのがノベルゲーム、なかでも「恋愛ゲーム」なのです。