学歴は人を見る公平な判断基準

――なるほど。すごく納得できました。たしかに大学に入る理由は自由でいいですね。

びーやま:そうなんです。

 加えて、僕は「コスパがいい」と言っていますが、場面によっては学歴がないといけない場面もたくさんあるのも事実です。

 たとえば、新卒採用の学歴フィルターなんかがまさにそうですよね。学歴がないとそもそもスタートラインにすら立てないわけですから、本当に選択肢を広げたいのであれば、まずは持っておかないといけないものとも言えます。

――どうしてここまで学歴が重要視されるのでしょうか。

びーやま:新卒採用がまさにそうですが、若い人を同じ基準で見ようとすると学歴くらいしか判断基準になり得ないんですよね。

 3年間という決められた期間で、どのくらい努力したのかは学歴を見ればわかりますから。なので、「学歴こそ至高だ!」というよりも「それくらいでしか公平に見られない」ということなんだと思います。

 たとえば、スポーツの実績を見ようとしても、個人競技と団体競技で違いますし、競技人口によっても違いますよね。しかもスポーツをやっていない学生もたくさんいます。

 でも学歴は誰もが通っているというか、新卒採用の場合は「大卒以上」が条件になっていたりもするので、まずは学歴が判断基準になるのかなと。

 なので、学歴以外でも公平に判断できるものがあれば、基準はそれに代っていくのではないかなと思います。

――どの企業も筆記試験はありますが、それじゃダメなんですかね?

びーやま:いいと思うんですが、筆記試験はなおさら高学歴が強い気がするんですよね。結局、筆記試験に強いから高学歴になれているわけで。

 なので、たどっていけば学歴を見ざるを得ないというか、筆記試験は大学入学時と在学中の学力差にギャップがないか確認する程度しか機能していないんじゃないかと思います。

 でもそれは逆を言えば、そこまでの大学に通っている学生でも筆記試験で大逆転するという余地もあるということだとも思います。

――少しずつ学歴が必要な理由が見えてきました。結局学歴を見るのが「合理的」なんですね。

びーやま:そうですね。

 なので、合理的にならずとも人を判断できる余裕が世の中にあれば、別に学歴で判断する必要はないんだと思います。

 ただ現状、社会のスピード的にそんな余裕はないですから、学歴が重要なのかなと。