学歴に代わる成果を示せるか

――そういった逆転で内定を取るような学生はなにか特別なことをしているのでしょうか。

びーやま:プロセスは人によると思いますが、大学でちゃんと勉強もして、就活も早めに動いている印象です。たとえば、学歴を突破する1つの方法としてTOEICや資格が挙げられると思いますが、TOEICで800~900点取れるような学生はどこの企業からしても魅力的だと思います。資格も同じで、難関資格を大学生のうちに取得している学生は比較的人気です。

 結局、企業が学歴を見る理由は「どのくらい優秀で、どのくらい真面目なのか」を見る指標にしているからなので、それをTOEICや資格で代用できればいいわけです。学歴フィルターも万能ではないですからね。

 もちろん、それらがあれば学歴を無効化できるわけではないですが、あれば戦う武器には十分になり得ます。少なくとも「自分は努力できる人ですよ」というのを目に見える形で表現するのは非常に効果的です。

――たしかに。大学でちゃんと勉強を続けている学生は好印象ですよね。

びーやま:そうなんです。

 しかも、そういう学生は、ちゃんと現実も受け入れつつ戦略も立てている印象です。

 たとえば、TOEICの高いスコアを持っている学生であれば、英語力が求められやすい企業に絞って企業研究をしたりして、自分の強みはどこで通用するのかをよく考えています。むやみやたらに勝負しないというか、ちゃんと内定を取るまでのプランを立てられるんですよね。

 そういった能力があるから内定が出るということも言えますが、大学名に関係なく就職で満足できる学生はこういった共通点があると思います。

――自信につながりそうなお話ですね。

びーやま:ただ、注意点もあるなと思っていて、学歴フィルターがあるような会社は入ってからも大変なんです。あたりまえですが、東大・京大・早慶がボリュームゾーンの会社でいきなりMARCH未満の学生が活躍できるわけではありません。入社後の配属なども微妙な待遇の差があったりします。

 もちろん、それが一生続くわけではないですが、どこかでまた逆転をしなければいけないわけす。そういったことも考慮して会社は選んだほうがいいんじゃないかなと僕は思います。

 今の時代は転職時代ですから、ほかの会社で実績を上げて大企業に行くのはめずらしいことではありません。しかも、そのほうが新卒でスタートするよりもいいポストにつけることもあります。

 加えて、毎年「大企業に内定してまわりに自慢をする」という学生のエピソードを聞きますが、残念ながら就職はスタートでしかありません。月並みな表現ですが大学と同じで、そこからどうキャリアを組み立てていくかのほうが重要です。

 なので、考え方は人それぞれですが、新卒採用がすべてではないことを頭の片隅に入れておいてほしいなと思います。

――ありがとうございます。大変よく理解できました。

びーやま[著]
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』のツッコミ担当。早稲田大学教育学部卒。高校時代の偏差値は37だったが、1年間の浪人を経て早稲田大学に入学。大学時代は起業・自主退学・復学など、さまざまな経験をしたのち、大学受験のすばらしさに気づき現在に至る。甘いルックスと鋭いツッコミ(たまにポンコツ)で視聴者の心を掴んでいる。決め台詞は学歴モンスターの相方・高田ふーみんを制止する「ヤメロオマエ」。

高田ふーみん[協力]
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』にて「学歴至上主義」を貫く学歴モンスター。京都大学経済学部中退(現役合格)。学歴を絶対の価値基準とする偏った思想を持つヒール役として受験生や大学生を中心に人気を博している。決め台詞は「Fランやないか」。