頭をかかえる医師写真はイメージです Photo:PIXTA

4月、「北京にある名門病院・中日友好病院の医師が不倫、しかも相手は少なく見積もって4人」というニュースが世間を騒がせていた。「四股不倫とはすごいけど、所詮はゴシップ」と思っていたら、あれよあれよと大問題になり、医療サービスを担当する国家機関、国家衛生健康委員会まで動く事態に発展した。いったい何があったのか?(フリーランスライター ふるまいよしこ)

北京・中日友好病院の医師が(少なくとも)四股不倫

「中日友好病院の胸部外科医師が院内で不倫、それもお相手は1人じゃない。少なくとも4人いる」という話題がSNSで広く人々の間でシェアされ始めたとき、筆者は「また誰かのしょうもないゴシップか」とやり過ごしていた。

 他人のゴシップが蜜の味なのは、日中、いや世界共通だ。舞台が「中日友好病院」という、1980年代の日本との蜜月期に日本のODAで建てられた病院であることを除けば、そんなに大した価値のある話ではないと思っていた。

 中日友好病院とは、今でも庶民の間では日本との友好の象徴とみなされているものの、設立当初に日本から寄贈されたり、購入した設備や機器のほとんどはとっくの昔に欧米製の最新機器に取って代わられている――という話を、もう10年ほど前に関係者から耳にしていた。