「人生を返せと妻から責められる」不倫願望の50代男性→専門家の容赦ないアドバイスがスカッとする!夫婦問題カウンセラー 岡野あつこさん Photo by Atsuko Okano

熟年離婚が珍しくなくなった今日、夫婦関係の危機は様々な形で表れます。今回の相談者は、「人生を返して」と妻から毎日のように責められているという男性。夫婦関係を改善するにはどうしたらいいのでしょうか。夫婦関係を改善する『なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか?夫婦関係を改善する「伝え方」教室』の著者で、4万件近くのトラブルを解決してきた離婚カウンセラーの岡野あつこさんに、深刻な悩みを抱える男性からの相談に答えていただきました。(聞き手/ダイヤモンド・ライフ編集部 吉岡綾乃)

「人生を返せ」と毎日妻に責められる

【Q:人生を返せと言われるのですが、返せないんです。
「生きていく上で何の楽しみもない」
「いつも同じデパートに行くばかりでつまらない」
「(子どもへの不満として)うちの家系にはこんな性格の人間はいない」
……結論として「一度きりの人生、こんなはずじゃなかった、返して!」と毎日のように言われます。何を返せばいいですか?
 先日、30年来の付き合いのある女性の友人と久しぶりに会いました。お互い50代を半分過ぎて、若い頃の話、仕事の話、お互いの家族の話と、色々な話題で盛り上がりました。そして、実は昔むかし、お互いに結婚したいなと思っていたことを知りました。妻といるよりもずっと楽しい……これは不倫なんでしょうか?(50代、男性)】

――質問内容が前後に分かれているので、まず前半から行きましょうか。妻が毎日「人生を返せ」と言って責める、と。この言葉を夫はどう受け止めるべきでしょうか?

「私には生きていく上で何の楽しみもない」「いつも同じデパートに行くばかりでつまらない」って奥さんの言葉、これ、相当なメッセージですよ。本当にカウントダウンかもしれない。コップがいっぱいになって、あと1滴でプチンと行ってしまうかもしれない。

 この「人生を返せ」という言葉は、奥さんの強烈なSOSだと思います。ただの愚痴ではなく、長年の不満や苦しさが凝縮された、相当深刻なメッセージですよ。でもそれに対して、「申し訳ない」とか「どうしよう」じゃなくて、「返せないんです」って言い切っちゃってるのはずいぶんひどいと思う。

――たしかにかなりキツいというか、深刻なメッセージに見えます。

 でも、注目すべきは、まだ「言葉で」訴えかけているという点ですよ。普通、こういう状況になると、多くの人は黙って行動を起こしてしまう。家を出るとかね。でも、この奥さんはまだ言葉で訴えかけている。つまり、「なんとかしてほしい」というメッセージを発しているんです。

――相談者の方は、奥さんが毎日のように文句を言うので疲れてしまい、どう対応すればいいのか困っているようですね。「何を返せばいいですか?」という夫の質問をどう思われますか?

 何を返せばいいですか、じゃないんですよ。「謝れ」です。