「就職に強いかどうか」が女子大復活のカギ

 女子大の人気復活という声もある。その大きな理由のひとつは、「就職に強い」ことだ。

 たしかに大規模な共学と比べた場合、女子大では授業だけでなく、就職活動でも個別のきめこまかな指導が受けやすい。キャリアセンターやOGによる全面的なバックアップ体制が整っており、就職後の支援まで手厚いところもある。

 たとえば、私立の女子大としては圧倒的なブランドを誇る津田塾は就活を終えた4年生が3年生にアドバイスをする催しが行われたり、膨大なアンケートが閲覧できたりする。

 ほとんどの学生が総合職か専門職をめざす。運輸・通信のほか、マスコミなど就職先は幅広い。中学や高校の教員や公務員も多い。

 キャリアセンターは両キャンパスに設置。就職の面倒を見てくれる学生生活課はきめ細かく親切な指導が好評だ。

 ほかにも『大学図鑑!』では昨年版から就職面などで存在感が増している、昭和女子大と東京家政大学を新しく掲載した。

 昭和女子大は学生自身が社会に通用する生き方・働き方を考えながら社会への準備ができるようなサポートを心掛けた支援が特徴。その場限りではないキャリア教育は、就活対策に留まらず、就職後も見据えている。

OGとの結びつきも強く、「卒業後のことを相談したり、具体的なアドバイスをもらえたり、在学中からビジネスを意識するシーンが多くて、刺激がある」(ビジネスデザイン学科)との声も。

 東京家政大は保育士、教員、栄養士、作業療法士など、学生たちの目指す職業も千差万別。一人ひとりのニーズに応えるべく「食品系」「デザイン・クリエイティブ系」など業界別の研究講座を行ったり、インターンシップを推進したり、それぞれの職種の特徴にあわせて支援している。

 そういった甲斐もあって、2023年度のある就職ランキングでは総合で9位に入るなど、女子大のなかではかなり健闘している。

「“東京家政大生です”ということではなく、私はここでこういうことを学んできました、って言える自信があります」(人文学部)と学生も非常に前向きで、企業からのウケもいい。