25年以上多くの読者に選ばれ続けてきた大学案内『大学図鑑!』が今年もパワーアップして発売された。現役生・OB・OGら5000人超のナマの声によってつくられた本書は他の大学選びのひとつの手段として選ばれている。本記事では最新版である『大学図鑑!2026』の出版を記念して、内容の一部を抜粋し再編集してお届けする。(本記事は2025年1月時点に執筆した『大学図鑑!2026』をもとにしています)

大学生Photo: Adobe Stock

女子大は生き残りをかけて大奮闘

 かつては全国に国公私立合わせて100校ほどの女子大があった。第2次ベビーブーム世代の在学時期に重なる1995年前後には、短大と共に在学者数のピークを迎えた。だがその後、女子受験生の共学志向を受け、女子大のままでは生き残れないからと共学化が相次いだ結果、約2割の女子大が姿を消した。

 全盛期に比べると、人気も偏差値も下がり気味で、元気がないと言われて久しい女子大。しかし、最近では下落傾向も落ちつき、逆に女子大ならではの利点を強調し、生き残る道を模索する動きが目立つ。

 ここであらためて女子大のメリットを考えてみよう。たとえば、「男子を気にせずに集中して勉学に励める」「家政学や語学など女性に向いた能力が伸ばせる」「学生数が少なく少人数制の授業が受けられる」「教職員がていねいで親切」といった点が挙げられるだろうか。

 年配の人は今でも、“女子大=お嬢様”というイメージを持っている。その理由は「女性は結婚や出産を機に専業主婦になるもの」とされていた時代、多くの女子大はお嬢様学校として「良妻賢母」の養成を目的としていたからである。

 それが今は、社会で活躍できる「人材」の育成へと変化してきている。女性が出産や子育てをしながらでも一生働くためのキャリア形成に必要な知識や技術の習得、近年ますます注目が高まるジェンダー教育に力を入れているところも多い。

 そういった方向転換の甲斐もあって、キャリアサポートが大きな武器となっている女子大は結構多い。これまでと同じ路線を貫くか、徹底的な実学路線に舵を切るか、どちらが正解ということはないが、女子大は大きな転換点を迎えている。