
夏のバケーションシーズンが正式に始まった。だが今年は、近年米国の人気観光地に押し寄せていた、カナダや欧州などからの外国人旅行者の姿が見当たらない。
ニューヨークのタイムズスクエア近くでコーンドッグ(アメリカンドッグ)のスタンドを経営するオマル・タラトさん(35)は「以前はカナダからの旅行者が何千人もいたので、彼らが支払うカナダドルを銀行でよく両替していた」と話した。「今年は売り上げが非常に悪い」
米税関・国境警備局(CBP)の統計によると、過去4週間に米国の主要空港に到着した外国人は約190万人と、前年同期比6%減少した(訳注:原文は5月31日付)。今夏の航空券予約データは、状況が早期に好転しないことを示唆している。8月までの欧州発米国行きの航空便の予約は約12%減少している。航空データ分析会社シリウムがオンライン旅行代理店予約データを分析したところでは、サンフランシスコ、米首都ワシントン、ロサンゼルスへの航空便は落ち込みがさらに大きくなっている。
外国人旅行客は、米国での休暇の予定を欧州あるいは自国内への旅行に切り替えている。その中には、トランプ米政権の移民取り締まりや、外国からの訪問客が米国で身柄を拘束されたり国外退去になったりしているとの報道を理由に挙げる人もいれば、カナダでの米国製品の不買運動や欧州でのテスラ車不買運動に同調して、米政権の政策に対する自らの不満を示したいと話す人もいる。