「真面目に仕事をしているのに、なぜか上司に評価されない…!」
あなたも、自分より能力が低い人がなぜか上司から高く評価されていて、イラッとした経験があるはず。ではこのような「なぜか評価される人」の“戦略”を、あなたは知っているだろうか。『雑用は上司の隣でやりなさい』は「周りに実力を“評価させる”戦略」を初めて言語化したロングセラーだ。発売直後から賛否両論を巻き起こし、「よくぞ言ってくれた」「暗黙知が“言語化”されている」「今まで気づいていなかった“新事実”」など大反響が集まっている。そんな「職場で実力を適切にアピールする“見せ方”の技術」をまとめた本書の中から「出世する人/しない人の特徴」についてお伝えする。

出世する人は上司にハシゴを外させない
あなたは上司からハシゴを外されたことはあるでしょうか。企業体質にもよりますが、特に減点主義の評価制度が採用されている企業では、ハシゴを外す上司が多いです。
僕が勤めるメガバンクにも、ハシゴを外してくる上司がたくさんいます。「ハシゴを外される」とは、最初は応援してくれたのに、いざ失敗したら急に手のひらを返したり、裏切ったりされることです。たとえばメガバンクで言えば、支店長がミスを糾弾してきたときに、当初サポートしてくれた上司も同調して支店長側についてくるようなことです。こういったいわゆる「クソ上司」はどの職場にもいることでしょう。
出世する人は、こう言ったハシゴを外す系の上司の下にいても、ハシゴを外されることがないようにうまく立ち回っているので、自分だけが減点されることはほとんどないです。今回は、こういった時に「出世する人がどのように立ち回っているのか」を解説します。
上司を常に立て続ける
直属の上司がハシゴを外して部長側につく時は、大体決め台詞があります。それは「僕は止めたんですけどね~」と言うキーワードです。要するに、上司は部下のその行動に注意はしたけど制止を振り切って暴走してしまったみたいな言い訳の仕方です。
この「僕は止めたんですけどね~」を絶対に言えない環境に持っていくことが重要です。
ではどうすればいいかというと、直属の上司を常に立て続けることです。もう少しわかりやすくすると、上司から常にアドバイスをもらって仕事をしている感を醸成するのです。
たとえば、部長に案件の進捗を報告する時も、「常に直属の上司からもらったアドバイスを参考にやっている」等、主語を自分にすることなく、上司が一緒に手伝ってくれていると言う状況を部長に刷り込みます。ここ実際にはほとんど上司がアドバイスをすることがなくても、「上司が手伝ってくれているように無理やり演出する」ことがポイントです。こうすることで、直属の上司は「僕は止めたんですけどね~」が使えなくなります。
「便利な部下」を演じよう
また、このアプローチには別の効果もあります。それは、直属の上司からのあなたの評価も高まりやすいことです。上司側からすると、何もやっていないのに上司を立ててくれる部下は非常に重宝します。自身の上司である部長に対してやってる感が出せるからです。
いかがでしたか。単に上司にハシゴを外されてないように立ち回ることをすると上司が敵になってしまいますが、出世するサラリーマンは上司にもベネフィットを与えることで自分との共存関係を構築しています。
ここまでやるかどうか悩む人もいるかもしれませんが、職場は決して良い人ばかりではありません。これくらいやらないで損するくらいなら、徹底的に「評価を上げる立ち回り」をするのが得だと思います。
(本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』に関する書き下ろし原稿です)