大学で学べるだけの能力を身につけよう

――よく理解できました。ではいい面はなんなのでしょうか。

びーやま:明確な目的がなくとも“勉強して”入った大学であれば、気づきが多いということです。

 高校生のうちに将来の夢が明確に決まっている人はそう多くありません。もしくは将来の夢がある人でも少しずつ興味や関心は変わっていくものです。

 そういった学生が、高いレベルでさまざまな価値観に触れられるのは大学の大きな魅力です。「大学に入って勉強していたら、その道の研究者になりたくなった」「授業で学んだ分野を活かした職業に就きたい」などは、いい機会に出会えるからこそ生まれる感情です。

 僕も教育学部で勉強をしていましたが、在学中は教育のなかでも「生涯学習」の分野にどハマりし、結局今でもこうして受験や教育にかかわるコンテンツを発信しています。ちなみに高校生のときは「なんとなくビッグになりたい」と思っていました。

 こういった大学での出会いが、その後の人生のテーマになることは多いにあるので、「なんとなく進学」も悪いことだけではないなと思います。

――たしかに、大学での学びが人生につながるというのはわかる気がします。

びーやま:ただ、そこには条件があるとも思っていて、それは「ちゃんと勉強して大学に入ること」です。

 大学での学びというのは誰にも強制されないところが特徴です。そのため、本人に勉強習慣がないと何も響かないんです。仮にいい授業があったとしても、それを受け入れるだけの能力が自分に備わっていないと意味がないわけですから、その準備として“勉強して”大学に入るというのがマストだと思います。

 なので、いいケースは「なんとなくだけど、いろんなものを見てから将来のことを決めたいから、勉強して大学に行く」というものです。

 これであれば理由は明確でなくとも、スタンスは大学進学にふさわしいと思います。

――ちゃんと努力はすべきということですね。

びーやま:そうですね。逆に、「できるだけ勉強はしたくないけど、大学にはいきたい」というのはNGです。

 しかも、大学受験のいいところは、勉強している時間が自分の大きな成長機会になっている点です。ツラいけど頑張って勉強する、遊びたい誘惑に打ち勝って勉強するという経験が人を大人にしていきますから、大学受験を通して大きく成長してほしいです。

――ありがとうございました。大変勉強になりました。

びーやま[著]
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』のツッコミ担当。早稲田大学教育学部卒。高校時代の偏差値は37だったが、1年間の浪人を経て早稲田大学に入学。大学時代は起業・自主退学・復学など、さまざまな経験をしたのち、大学受験のすばらしさに気づき現在に至る。甘いルックスと鋭いツッコミ(たまにポンコツ)で視聴者の心を掴んでいる。決め台詞は学歴モンスターの相方・高田ふーみんを制止する「ヤメロオマエ」。

高田ふーみん[協力]
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』にて「学歴至上主義」を貫く学歴モンスター。京都大学経済学部中退(現役合格)。学歴を絶対の価値基準とする偏った思想を持つヒール役として受験生や大学生を中心に人気を博している。決め台詞は「Fランやないか」。