4月の急騰局面では、日経平均株価がTOPIXに圧勝した Photo:Tomohiro Ohsumi/gettyimages
中東情勢に振り回されつつも、高値更新が続く日経平均株価。ただし、冷静に中身を見ると、半導体など一部の「値がさ株」がけん引する一方、安値圏で推移している銘柄も少なくない。二極化が進む日本株に対して、個人投資家はどう向き合うべきなのか。連載『株式相場の歩き方』の本稿では、「史上最強級の“ゆがみ”」に着目して、決算シーズン後のアンワインド(巻き戻し)を狙うヒントをお届けする。(株式コメンテーター 岡村友哉)
日経平均が最高値更新でも
保有銘柄がイマイチな理由とは?
日経平均株価が史上初となる6万円台を付けたのは2026年4月23日でした。その後も日本株は高値圏を維持して、4月は月間で日経平均が8221円も上昇。月間上昇率は16%になりました(5月7日の場中には6万3000円も突破しました)。
結局、今回も「遠くの戦争は買い」「下がったら買いが正義」……。そんなトラックレコードを一つ増やしました。
とはいえ、今回の上昇は前回高値を大きく超えてきているため、下落からの反発というだけでは説明できません。では、4月に歴史的ともいえるほど日経平均が大きく上昇した理由は何でしょうか?いくつか理由が考えられるでしょう。
一つ目はショート勢による買い戻しです。最安値を付ける場面では、ロスカットによる投げ売りが多発しますが、その逆バージョンを“踏み上げ”といいます。最高値を更新するような相場になると、日経平均をショートしている投資家は全員含み損になります。
特に今回のように日経平均が勢いよく上昇すると、買い戻しが同時多発的に発生します。6万円より上に向けて、「さらに上がりそう!」と期待して新規で買う投資家ではなく、「もう上がらん」と思っていたショート勢による“涙のロスカットの買い(戻し)”が原動力になっているケースもあるわけです。
二つ目は半導体関連株が絶好調だったことです。米国のSOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)の18連騰が毎日のように背中を押しました。この連続上昇日数は史上最長だそうですが、ある米金融サービス企業の4月23日付レポートでは、「現在の我々は極めて異常で、持続不可能な領域にいる」「半導体指数の歴史において、最高値を更新しながらのこれほどの急騰は過去に例が無い」と仰々しく指摘していました。
米国でも歴史的と呼べる半導体株ラリーが発生している中で、日本の半導体株も一緒に上がるのは当然でしょう。日経平均に与える影響度が大きい(指数ウエートが高い)アドバンテストや東京エレクトロン、ソフトバンクグループも急騰して、これが日経平均をパワフルに持ち上げました。
一方、「半導体・AI株ばっかり上がってズルい」なるボヤキも漏れるモメンタム相場だったことも事実です。特に今回は一点集中的に強いところにだけお金が流れ、「順張り上等!」で高値を買える投資家だけが潤い、それ以外はさっぱりダメという極端な二極化相場でした。
半導体・AI株ほどは上がっていないけれど「自分の持ち株はプラス……」ならばまだしも、自分の持ち株は日経平均に逆行して下がる展開にストレスをためまくる投資家が続出。今年、東証プライム市場の年初来安値銘柄数が多かったのは4月23日の252銘柄ですが、この日は日経平均が史上初の6万円乗せを達成した日です。実に奇妙な日経平均6万円乗せ相場でした。
とはいえ、投資で大事なのは「今後」です。決算発表が一巡した5月中旬以降の相場において、個人投資家はどんな戦略を取るべきなのでしょうか。
「究極の二極化」の進行によって、日経平均の上昇を享受できていない投資家が少なくないと指摘する岡村氏。次ページでは2000年以降の膨大なデータに基づき、5月以降に巻き返すためのアイデアとスクリーニングから浮かび上がった注目銘柄をお届けする。







