​「中堅以下の大学から滑り込みで大手企業に就職」は本当に幸せなのか。学歴と新卒採用の関係性を考える

20代後半は学歴から実績に「評価基準」が変わる

――それは大手の能力に見合っていないということですか？

びーやま：そうではありません。仮に本当に能力があったとしても、大企業だと学閥的なものに巻き込まれてしまいかねないということです。

　また、名門大学から名門企業に入るような人は、群を抜けて優秀な人が多いので、その時点の自分の実力で本当に戦えるのかという点もあると思います。

　そういったことも考えると、大手でなくとも自分にチャンスをくれる優良企業に新卒時は入って20代のうちにいい経験を積んでいくという道もあるのではないでしょうか。

　しかも、今の時代は転職全盛ですから、新卒時には手の届かなった企業に30代で手が届くということも大いにあります。そのときに20代でいい経験が積めていれば、いいポストでの転職もむずかしいことではありません。

　実際に大学生には、新卒で人気とされている「会社名＋中途採用」で検索してみてほしいです。どの会社も年中中途採用をしているはずですから、チャンスがいくらでもあることがわかるでしょう。

――企業名よりも成長できる環境を重視したほうがいいということですね。

びーやま：そういうことです。大学生や20代前半などの若い年齢のうちは優秀かどうかの判断基準が学歴くらいしかないですから、みんな学歴を気にしますが、20代後半に入ってくると途端に「実績」が重要になってきます。

　そのときに「大手企業で末端の仕事」をしているだけなのか、「中堅企業で企画や営業」などをメインでこなしているのか、どちらが市場価値が高いのかは言うまでもないでしょう。

　もちろん、仕事に貴賎はないですが、経験重視の世の中はどちらをより高く評価するか考えてほしいと思います。

　僕が思うのは、いい仕事というのは「いい環境」×「それに見合った実力」で決まるということです。そのため、いくら大企業に入っても、実力が発揮されなかったり、磨かれなかったりしたら意味がないわけです。

　だったら、実力をつけて、いいポストで、いいタイミングで大手企業に入れるようなルートを選んだほうがいいんじゃないかと思います。

　しかも、そうやってキャリアを積んでいるうちに出世したりして価値観も変わるものですから、新卒時に無理に大手企業にこだわらなくてもいいんじゃないかと思います。

　20代以降の働く人生のほうがそれまでの人生より圧倒的に長いわけですから、長期目線でキャリアを考えてほしいです。

――ありがとうございます。大変勉強になりました。

びーやま［著］
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』のツッコミ担当。早稲田大学教育学部卒。高校時代の偏差値は37だったが、1年間の浪人を経て早稲田大学に入学。大学時代は起業・自主退学・復学など、さまざまな経験をしたのち、大学受験のすばらしさに気づき現在に至る。甘いルックスと鋭いツッコミ（たまにポンコツ）で視聴者の心を掴んでいる。決め台詞は学歴モンスターの相方・高田ふーみんを制止する「ヤメロオマエ」。

高田ふーみん［協力］
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』にて「学歴至上主義」を貫く学歴モンスター。京都大学経済学部中退（現役合格）。学歴を絶対の価値基準とする偏った思想を持つヒール役として受験生や大学生を中心に人気を博している。決め台詞は「Fランやないか」。