「大学受験」は10代における最大のイベントです。残念な側面でもありますが、いい大学にいけば、なりたい職業になれる確率は上がり、将来の選択肢は増えるのが現在の日本です。それほどまでに大学受験の持つインパクトは大きくなっています。そんな難しい時代でも「自分らしい大学進学」をするために書籍:『17歳のときに知りたかった受験のこと、人生のこと。』が発売されました。本書は、きれいごとを抜きにして、「大学受験とはどういうものなのか」「人生とはどういうものなのか」を考えることができる受験の決定版です。本記事では発刊を記念して著者である、びーやま氏への特別インタビューをお届けします。

高校生Photo: Adobe Stock

理系のほうが就職は有利?

――文系にするか理系にするかは受験における大きなテーマかと思います。一般的には理系のほうが就職はいいみたいな話をよく聞きますが実際はどうなのでしょうか。

びーやま氏(以下:びーやま):たしかに理系は研究室の推薦などもありますから、文系に比べて就職に有利な印象はありますよね。

 ただ、文系だから不利ということはないと思います。

 というのも、そもそも文系と理系は採用の窓口が別であることがほとんどだからです。

 そのため、理系に負けるとかはあまりありません。あるとすれば文系のなかでの優劣、理系のなかでの優劣だけです。

 ですから、文理選択は就職などはあまり気にせず学びたいほうにいくのがいいと思います。

――なるほど。ただ、文理両方ともに「文学部」や「数学科」のように、文理のなかでも就職に不利とされるところはありますよね。そのあたりはどうなのでしょうか。

びーやま:本人が優秀であれば、学部や学科は影響はないと思います。

 文系だと経営学部や経済学部が有利みたいな風潮がありますが、そんなことはなくて、別に経営学を学んでいたからって、いきなりビジネスで通用することなんてないわけです。

 となると、どの学問かよりもどのレベルでどのくらいしっかり勉強していたかが重要になるので、学問は気にしなくていいです。「文学部でめちゃくちゃ勉強していました」という学生は、学問に真剣に打ち込めるというだけでかなり魅力的ですよね。

 そのため、つぶしが利くのは基本的に学問ではなく、大学です。

 たとえば、中堅大の経営学部と早稲田の文学部だったら、勉強さえちゃんとしていれば普通に後者の方が就活では強いでしょう。。

――なるほど。本当に学部は「好き」だけで選んでいいわけですね。

びーやま:そうですね。しかもそうじゃないとつらいと思います。

 特に理系は全体的に勉強が大変ですから「就職に有利だから」で4年間乗りきれるほど甘くないです。そういう人は多分留年します。

 しかも、理系は修士号がややスタンダードになったりもしているので、心から理系が好きじゃないのであればやめておくのがいいでしょう。