米国の大手小売業者の間で、ステーブルコインの発行や活用の方法を探ろうとする動きが広がっている。それにより、これらの企業が扱っている多額の現金やカードによる決済が伝統的な金融システムの枠外に流出し、何十億ドルもの手数料を節減できる可能性がある。事情に詳しい関係筋によると、ウォルマートやアマゾン・ドット・コムなど大手企業の一部が、米国で独自のステーブルコインの発行を検討している。旅行会社のエクスペディア・グループや航空会社などの大手企業も、ステーブルコインの発行について議論しているという。ウォルマートやアマゾンが伝統的な決済システムを迂回(うかい)する仕組みを立ち上げれば、米国の銀行業界を大きく揺るがすことになる。