友人の何気ない行動に救われた経験はないだろうか。利害関係を抜きにした友人は、人生の宝物だ。日韓累計45万部を突破したベストセラー『人生は「気分」が10割 最高の一日が一生続く106の習慣』(キム・ダスル著、岡崎暢子訳)の発売を記念した本記事では、今一番読みたいエッセイを書くライターの柴田賢三氏に、「一生付き合える友人との関係についてご寄稿いただいた。(企画:ダイヤモンド社書籍編集局)

「人間関係を損得でしか考えない人」が一生手に入れられない“真の宝物”・ナンバー1Photo: Adobe Stock

涙がこぼれそうになった
友人からの電話

 田舎に住む高校時代の友人から電話が入った。

 お盆休みや正月休みが近づくと連絡をくれる律儀な友人だ。こちらの帰省のスケジュールを聞き、地元の仲間たちの都合も合わせて飲み会を開いてくれるのだ。

 しかし、私は春先やゴールデンウイークに帰省することはない。スマホの着信画面に彼の名前が表示されたとき、嫌な予感がした。この年になると、昔の仲間が急逝したという連絡でもおかしくないからだ。

 電話に出ると、いつもの明るい声が聞こえてきたので安心した。互いに近況報告をして、とりとめのない会話が続いた。

 あっという間に1時間ほど話したところで、彼がこう切り出した。

「そういえば、仕事は大丈夫か? ほら、年末に帰ってきたときに『今は苦しいけど年度が改まったら環境も変わりそうだ』って言ってただろ?」

 酔っ払って、自分で話をしたことも覚えていないような近況を、彼は気にかけてくれていたのである。

 その一言に、涙が出そうになった。

 正直、新年度になっても悪い状況は変わっていないが、「いい感じになってきてるよ。心配してくれて、ありがとう」と伝えて電話を切った。

一生付き合える
友人の条件

 “人生の指標”となる言葉の数々を収録している本、『人生は「気分」が10割』の中には「一生付き合える友人の条件」という項目がある。

2.電話一本で気持ちがほぐれる
 やたらむしゃくしゃしたり落ち込んだりしているときも、その友人と話せばイライラもムカムカもモヤモヤも収まる。肩の力がふっと抜ける。心からリラックスできる。
――『人生は「気分」が10割』(p.132)

 フリーランスの私は、毎月の収入のばらつきが大きい。年末、彼に話をしていた仕事も期待したようには回っていないが、こんな友人がいてくれるだけで幸せだと心の底から感じた。

 人間関係にはたいてい利害が絡んでいる。打算的な関係だらけの世の中にあって、子どもみたいに純粋な関係でいられる友人は人生の宝物だ。彼らとの友情を大切にすれば、それだけで人生がこの上なくハッピーに過ごせるに違いない。
――『人生は「気分」が10割』(p.133)

 生活は安定しないが、フリーで仕事をする人間には時間的な余裕が生まれるときもある。次に少しでも時間ができたら、無理にでも田舎に帰って彼と酒を酌み交わそう。

(本稿は、『人生は「気分」が10割 最高の一日が一生続く106の習慣』の発売を記念したオリジナル記事です)

柴田賢三(しばた・けんぞう)
大学卒業後、複数の出版社や不動産会社での社員を経てフリーライターとして独立。週刊誌、月刊誌、WEBメディアなどで記者、編集者を経験した。事件、芸能、スポーツ、サブカルチャーまで幅広く取材に携わり、のちに新聞やテレビでも大きな話題になったスクープをモノにしたこともある。