以下が、書籍で紹介している解説と回答です。

パターンの少なさに気づけるか

 3つのラベル『リンゴ』『ミカン』『ランダム』は、すべて間違った箱に貼られた。
 すなわち、

『リンゴ』のラベルがついた箱の中身は、ミカンかランダム。
『ミカン』のラベルがついた箱の中身は、ランダムかリンゴ。
『ランダム』のラベルがついた箱の中身は、リンゴかミカン。

 ということが確定します。
 つまり、ありえる組み合わせの可能性は以下の2パターンのみ。

<中身のパターン1>
 ・ラベルが『リンゴ』の箱の中身=ミカン
 ・ラベルが『ミカン』の箱の中身=ランダム
 ・ラベルが『ランダム』の箱の中身=リンゴ
<中身のパターン2>
 ・ラベルが『リンゴ』の箱の中身=ランダム
 ・ラベルが『ミカン』の箱の中身=リンゴ
 ・ラベルが『ランダム』の箱の中身=ミカン

なぜ2パターンに限定できるのか

 なぜこの組み合わせに限定できるのか。
 たとえばラベルが『リンゴ』の箱の中身がミカンだった場合。

 このとき、ラベルが『ミカン』の箱の中身として考えられるのはランダムかリンゴですが、もしリンゴだとすると、何が起こるでしょう?

 唯一残っている、ラベルが『ランダム』の箱の中身が、ランダムだということになります。

 これは問題文にある「すべてのラベルが間違った箱に貼られた」という状況と矛盾してしまいます。

開けてはいけない箱

 組み合わせが2パターンしかないのなら、どれか1つの箱の中身が確定できれば、おのずと他の箱の中身も確定します。

 ですが、どれでもいいから適当に確認すればいいわけではありません。

「ランダム」という存在には注意が必要です。

 仮に、ラベルが『リンゴ』となっている箱を開けて、そこにミカンがあったとします。

 ですがそれだけでは、それがミカンの箱だったのか、ランダムの箱だったのかは、わかりません。
 ランダムの箱にたまたまミカンが入っていた可能性があるからです。

 つまり、中身がランダムである箱は絶対に開けてはならないのです。

 ということは、開けるべき箱は?
 唯一、中身がランダムである可能性がない、『ランダム』のラベルが貼られた箱です。

 ラベルが『ランダム』の箱を確認して、中身がリンゴだったら、それぞれの箱の中身は「パターン1」に。

『ランダム』の中身がミカンだったら、それぞれの箱の中身は「パターン2」だとわかります。

<問題の正解>
 箱は1つ開ければいい

AIの回答は正解? 不正解?

 はい、ということでAIの回答は…

 正解です!

 最初の回答はややわかりづらかったですが、答えは合っていましたね。おそらく回答としては出力されませんでしたが、その裏では、ちゃんと論理的に思考がされていたのでしょう。

 やや怪しい部分はありましたが、今回もAIは論理的思考問題を正解できました。このままだと人間の立場がないので、次はさらにレベルを上げた問題で試してみたいと思います!

(この記事で扱った問題は、書籍『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』から抜粋しています。解説を紹介した記事は『【論理問題】「仕事の効率が悪い人」には絶対に解けない問題『3つのフルーツボックス』とは?』です)