「お取り寄せできない形になっております」――それって一体、どんな形?「お取り寄せできない形になっております」――それって一体、どんな形?(写真はイメージです) Photo:PIXTA

新人でもベテランでも、社会人として改まった場面で緊張するもののひとつが敬語ではないでしょうか。丁寧に言おうとするあまり、過剰になったり、かえって失礼になったりしていることはありませんか?文章術講師でコピーライターの前田めぐるさんの著書『その敬語、盛りすぎです!』(青春出版社)から、過剰にならず、失礼にもならない、仕事に役立つ「ほどよい」敬語をご紹介します。

「私がお連れ申し上げます」「○○様をお連れしました」
――まるで連行!?場面に合った言葉を選ぼう

 取引先の最上部長が到着。上司のところまで案内する場面です。

 話し手は、訪問への礼を述べた後、「私がお連れ申し上げます」と言ってから案内し、上司のもとへ到着すると「最上様をお連れしました」と伝えました。来客である最上部長の心中やいかに……と案じてしまいます。

「案内してくれて助かったと思ったが、これって連行だったのか! 商談のつもりで来たのだが……」とは最上部長もまさか言わないでしょうが、そんなモヤモヤした気持ちにさせてしまうのが、「お連れしました」の一言なのです。

「お連れ申し上げます」も「お連れしました」も謙譲語です。目上の相手への敬語として「お/ご……申し上げる」「お/ご……する」という形に沿った表現です。

 それでも釈然としないのは、敬語にする前の「連れる」という言葉が原因です。