「大学に入ってからのことをもっと見て!」は正しい?
――よく理解できました。ただ、学歴というのはあくまで「入学時」のもので「入学後」も少し注目したほうがいいという意見についてはどう思われますか?
びーやま:エントリーシートや面接で「入学後」についても企業はしっかりと見ていますよね。「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)」という言葉が流行しているように、企業だって学生を偏差値だけで判断しようとはしていないと思います。
それでも引っかかっていないということは、学歴を度外視しても魅力があると思える人材として表現できていないということです。Fランだろうがなんだろうが、本当に優秀で魅力的な人は採用されます。
また、少なくとも、人事の仕事をしている人の多くは、誰よりも学生をじっくり見てあげたいと考えているように僕は感じます。学歴厨みたいな人とは真逆にいるのではないでしょうか。
――たしかに大企業ともなれば膨大な数の応募がありますよね。
びーやま:そうなんです。
そんな状況で採用するわけですから「学歴」を無視できないというのはリソースに限界があるから以外のなにものでもないなと感じます。
限られた時間で、全員と面接をするのは不可能なんです。しかも、学生を選んでいるのは企業というニュアンスが採用では強いですが、学生だって企業を選んでいるわけで、企業側も辞退されたらどうしようという不安のなかで最適なバランスを探しています。
こういった複雑な状況のなかで生まれているのが現在の方法なわけですから、文句を言うのは違うんじゃないかなと個人的には思います。
物事にはすべて理由があるわけですから、その理由を考えて、ルールのなかで勝負をすればいいんです。
現在の新卒採用は「学歴は関係ない」というルールになっていないわけですから、そのルールのなかで自分を表現しなければ行けません。そのことに気がつくことこそ本当の知性です。
加えて、もう少し厳しいことを言うと、ルールを変えちゃいけないなんてルールはないわけですから、気に入らないんだったら自分が社会で成り上がって「学歴のいらない社会」をつくればいいんです。「ルールがおかしい!」と言うのではなくて、「ルールのなかで得をする」「ルールを変える」。この視点が大事だと思います。
――ありがとうございます。最後に学生にメッセージはありますか?
びーやま:大学生であれ、受験生であれ、大事なのは自分が変えられることにフォーカスすることです。「他人」や「社会」は皆さんだけでは変えることができません。ですが、皆さん自身はどうでしょうか。皆さんが努力すれば今この瞬間も成長することは可能です。
言ってもしょうがないことに時間を使うのではなく、自分に専念して納得のいく人生にしていきましょう。
――本日はありがとうございました。
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』のツッコミ担当。早稲田大学教育学部卒。高校時代の偏差値は37だったが、1年間の浪人を経て早稲田大学に入学。大学時代は起業・自主退学・復学など、さまざまな経験をしたのち、大学受験のすばらしさに気づき現在に至る。甘いルックスと鋭いツッコミ(たまにポンコツ)で視聴者の心を掴んでいる。決め台詞は学歴モンスターの相方・高田ふーみんを制止する「ヤメロオマエ」。
高田ふーみん[協力]
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』にて「学歴至上主義」を貫く学歴モンスター。京都大学経済学部中退(現役合格)。学歴を絶対の価値基準とする偏った思想を持つヒール役として受験生や大学生を中心に人気を博している。決め台詞は「Fランやないか」。