戦争も、教育も、すべてが塗り替えられた…朝ドラ『あんぱん』折り返し地点で見えたこと【第61回レビュー】

次郎の新しい夢とは?
「これから」の矢先に届いた電報

「これからの話をせんかえ」と次郎。

 世界を旅することよりも「もっと大事な夢ができた」と言って、日記帳に記号のようなものを書く。のぶにはそれが何かわからない。

「今度教えちゃうき」と検査に呼ばれて病室を出ていく次郎。車椅子に乗って、やや背を丸めた次郎の首や腕のラインがじつに病でやせ細った人感が出ていてすばらしかった。

 それにしてもなんとなくいやな予感。これがのぶが最後に見た次郎になりそうな。フラグが立ったような……。

 ある日、のぶ宅に、義母・節子(神野三鈴)がやってくる。久しぶりの登場だが、ドラマ上ではそれほど久々ではない日常感が出ている。

 次郎は次郎だけに次男で、わりと放任されているのだろうか。それにしても戦争中はもっと家族で寄り添っていてもよさそうだが、若松家の家族関係の希薄さが気になる。お見舞いにも全然行っている風がない。やっぱり肺病だから伝染ることを用心しているのだろうか。

 節子が手にいれた貴重な材料で次郎のために栄養価の高い料理を作っていると、不吉な電報が……。

 戦争も、教育も、すべてが塗り替えられた…朝ドラ『あんぱん』折り返し地点で見えたこと【第61回レビュー】