イランには、世界のタンカー輸送の40％が通過するホルムズ海峡の船舶の航行を妨害し、原油価格を急騰させるさまざまな選択肢がある。1980年代のイラン・イラク戦争以降、ホルムズ海峡を通過してきたタンカー所有者やベテラン船長によると、イラン政府は海峡に機雷を仕掛けたり、自国のタンカーを使って封鎖したり、数隻を沈めて長期間にわたって完全に通航を遮断したりすることが可能だという。この海域にタンカーを保有するスウェーデンのタンカー運航会社ステナバルクの最高経営責任者（CEO）は「イランはヘリコプターで船舶を急襲し長期間拘束することもできる」と述べた。2019年には、英国がジブラルタルでイランのタンカーを拿捕（だほ）したことへの報復として、イランのイラン革命防衛隊（IRGC）の特殊部隊がタンカーの1隻を襲撃し3カ月間拘束した。