ドナルド・トランプ米大統領と側近らがイランに対する軍事作戦を6月初めに検討していた際、JD・バンス副大統領とマルコ・ルビオ国務長官は、米軍が中東での戦争に無期限に巻き込まれることだけはないようにと求めていた。これに対し、新たに米軍制服組トップに就任したダン・ケイン統合参謀本部議長は、米兵を危険にさらすことに関し、他の会議出席者と懸念を共有。シチュエーションルーム(危機管理室)で地図を広げ、イランの核施設を攻撃するよう命令が下された場合、国防総省は任務に関与するパイロットを保護し、イランの報復から中東の米軍を守ることができると説明した。自信に満ちたケイン氏の発言にはトランプ氏も感銘を受けた。トランプ氏はこれまで、軍事目標達成にとって自身の軍事顧問らが障害になることが多かった。だが6月21日の攻撃がケイン氏の案に沿って実施されたことは、トランプ氏に対するケイン氏の影響力がさらに高まったことを示している。ケイン氏はその後1週間足らずのうちに2度、公の場で発言し、トランプ氏からも惜しみない称賛を受けた。