ライブドア事件で起訴、収監され、今年3月に仮釈放された堀江貴文氏。前回に引き続き、氏のロングインタビューをお届けする。「お金を稼ぐのはやりたいことをやるため」と語る堀江氏に、ライブドアの社長時代にどんな経営ポリシーでビジネスを行っていたか、そして無罪を主張していたライブドア事件と自身の公判を振り返り、今どんな感想を持っているのかを詳しく聞いた。仮釈放後、初めて明らかにされる氏の本音に耳を傾けよう。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン 編集長・原英次郎、小尾拓也 撮影/宇佐見利明)

市場を変えるために株式分割をやった
「株価吊り上げ批判」は完全な的外れ

ほりえ・たかふみ
SNS株式会社オーナー兼従業員、株式会社ライブドア元代表取締役社長CEO。1972年生まれ。福岡県出身。東京大学中退。東大在学中の96年、ウェブページ制作請負の有限会社オン・ザ・エッヂ設立。2002年旧ライブドア社から営業権を取得し、社名変更。04年大阪近鉄バファローズ買収に名乗りを上げ注目を集める。04年ニッポン放送買収(後に子会社のフジテレビジョンに株式譲渡)。05年衆院選で広島6区から無所属で出馬(結果は落選)。06年ライブドアをめぐる証券取引法違反容疑で逮捕、起訴。2011年懲役2年6ヵ月の実刑判決が確定、収監。2013年3月仮釈放。ライブドア時代からテレビ、書籍、メルマガなど幅広いメディアで活躍する傍ら、宇宙ロケットビジネスにも参入。『100億稼ぐ仕事術』『稼ぐが勝ち ゼロから100億、ボクのやり方』『徹底抗戦』『君がオヤジになる前に』『刑務所なう。』『金持ちになる方法はあるけれど、金持ちになって君はどうするの?』『堀江貴文の言葉』など著書多数。

――堀江さんは「お金を稼ぐのはやりたいことをやるため」とおっしゃいます。振り返れば、ライブドア時代の堀江さんは、まさに「やりたいビジネスのために何でもやっていた」という印象があります。ただ、当時はそのやり方をよく思わない人たちも多かった。たとえば、資金調達に証券市場を使い、ライブドアや子会社の大幅分割を行なったときは、「株価の吊り上げ」との批判も出ましたね。今から考えて、当時の稼ぎ方は間違っていたと思いますか。

 いや、全然思ってないですよ。株式分割をやったのは、証券市場そのもののチェンジをしたかったから。50万円、100万円出さないと1単位の株を買えないという状況なのに、誰も文句を言わない。だから、「何、それ? こんなの投資家のためにならない」と思って分割をやったんです。

 その結果、株数は何万株にもなったけど、1株500円で買えるようになった。すると、色々面白いことができるようになる。たとえば、本に株をつけて売ったり、株で野菜が買えるようにするなど、ライブドアの株で経済圏をつくることもできる。そうすると、国家や通貨を越えて、もっと面白い仕組みができる。

 分割はそれが目的だったので、「株価吊り上げ」などというのは完全に的外れな批判です。なんでそんな批判をしてくるのか、この人たちは何を考えているのかなと、今でも思ってますよ。何回説明してもわかってくれないので、もういいやと。