「Grok(グロック)」は再起動が必要だ。人工知能(AI)スタートアップ企業xAIが開発したこのAIチャットボット(自動会話プログラム)は、明らかに創業者イーロン・マスク氏の世界観とは対立する意見を多く発するようになった。マスク氏が最近示した方針は、ジョージ・オーウェルの小説「1984年」的な修正だとの非難も一部にあるが、理解できる。巨大テック企業は目下、ユーザーがAI製品と個人的関係を築いたと思える感覚をつくり出すことで、AI製品の差別化を図っている。やや奇妙な言い方をすれば、それは友情を築く、つまりよく似た口調や世界観を共有するということだ。AI開発競争は、超知能(スーパーインテリジェンス)の開発競争と位置づけられている。だが近い将来、消費者向けの最善の使い道は「孤独の癒やし」になるかもしれない。
「親友」としてのAI、テック長者が期待をかける訳
愛情の争奪戦を繰り広げるマスク氏やザッカーバーグ氏、マイクロソフトも
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