日米で相次ぐ大きな動き
「スマホ型ナビ」のさらなる進化

 2013年5月、日米で気になるニュースが流れた。

 13日、日本の音声認識技術開発の大手「アドバンスト・メディア」(東京都豊島区・鈴木清幸社長)は、通信カーナビアプリ開発の大手「ナビタイムジャパン」(東京都港区・大西啓介社長)の「カーナビタイム for Smartphone」と「auカーナビ」向けに、自動車用に特化し高精度化した音声認識システムを提供し、14日からサービスを開始すると発表した。

 これは、カーオーディオの音楽や空調音、さらには路面とタイヤのロードノイズなど「車内の環境音」に対する学習能力を高めたシステムだ。

アメリカで、車載型カーナビいろいろ Photo by Kenji Momota

 いわゆる、(クルマとの)「スマホ連携」における音声認識技術では、米Apple社が開発した「Siri(シリ)」が先導。昨年中頃からGMシボレー、米ホンダ/アキュラなど、アメリカで次々と採用されている。

 一方で24日、米ロイター通信は関係筋の話として、米Googleがイスラエルのモバイル(海外ではタブレット・スマホの総称)向け地図アプリ開発ベンチャー「Waze」の買収に向けた交渉に入っていると報じた。Googleの地図アプリ、Google Mapはオーストラリアのベンチャー企業「Where 2 Technologies」買収が起源だ。Googleはストリートビュー用に独自の撮影車両による世界各国の実走測量を行うほか、各国地図関連企業から地図情報を購入している。

 また本連載既報のように、カーナビを含めたテレマティクス分野ではいま、米Fordが開始した「AppLink」の余波が米国内で急速に広がっている。車載器と連携するスマホアプリをサードパーティがロイヤリティフリーで開発し、ユーザーも基本的に使用料フリーとなる。

 そうした動きに対して、日系自動車メーカー幹部の間では「早期にキャッチアップしないと、手遅れになる」という危機感がある。