
昨今、業界未経験からのコンサル転職が一般化しつつあるが、各ファームによって異なる強みとする領域について、正しく捉えられている人は少ない。転職前に絶対に押さえておくべき総合系ファームと戦略系ファームの「仕事内容」と「実際の働き方」に関して、解説したい。(アサイン 杉江佳純)
総合ファームと戦略ファーム
意外と知らない違いとは?
総合系ファームの支援内容は戦略面での支援はもちろんのこと、業務改善やシステム導入など多岐に渡る。実際に大手総合ファームの組織は、製造・金融・公共向けなどの「インダストリー(業界)」と、M&A・財務会計・組織人事・システム構想などの「ソリューション(専門的な支援内容)」のマトリクス型を導入していることが多い。
実際の案件では、各組織において、高度な専門性を持ったコンサルタント同士が協働しながらプロジェクトを進めていくことになる。
例えば自身が製造業界のコンサルタントであった場合、ストラテジー領域のコンサルタントと協働しながら新規事業の立案に携わった後に、業務領域のコンサルタントとその事業の業務フローを整えたり、IT領域のコンサルタントと既存のシステムに追加導入する支援を行ったりする。
業界かソリューションにキャリアの軸足を定めて、自身の専門性を深めることができる環境だといえる。
実際にやりとりをするクライアントの担当者についても、プロジェクトのスコープ(責任範囲)を管掌している役員や部長・課長など、案件フェーズやテーマによってさまざまだ。
故に、目の前の相対顧客のみならずその背後に存在する人間関係を把握したり、時には担当者と一緒に上長に対してプレゼンテーションで説得しにいったりと、ステークホルダーマネジメント力も身につけることができる。