機能も容量も十分な「クラウド音楽サービス」が<br />これから普及するための課題とは?4つのオンラインストレージに対応した「CloudBeats-クラウドミュージックプレイヤー」(iPhone専用アプリ:価格250円)

 インターネット上のストレージサービスに手持ちの音楽をアップロードし、スマートフォンなどから場所を選ばずアクセスして、直接再生する。今やそれほど珍しいことではなく、対応サービスは多い。その最新型の1つが、今回紹介する「CloudBeats―クラウドミュージックプレイヤー」だ。

 CloudBeatsは現時点で「Dropbox」「Box.com」「SkyDrive」「Google Drive」の4つのクラウドストレージに対応したiPhone向けの音楽プレーヤーである。各ストレージにアップロードした大容量の音楽データを、アプリ経由で直接ストリーミング再生できる。音楽データはクラウドに置いておけばよいので、iPhone本体のメモリ容量を大幅に節約できる。複数のストレージ間の切り替えもスムースだ。アプリは有料(250円)だが、一度ダウンロードすればそれ以上の費用はかからない点も嬉しい。

 また、別のサービスで「Nドライブ」というクラウドストレージもある。こちらは音楽の再生にも対応しているストレージだが、CloudBeatsには対応していない。当然再生できるのはNドライブ内の音楽のみだが、無料で30GBの大容量が与えられる点、動画も再生できるという点は魅力的である。

 音楽データを自分でアップロードするのは面倒、という人には、1300万曲ものライブラリからストリーミング再生できる「ミュージックアンリミテッド」などの月額定額制のサービスもある。

 ミュージックアンリミテッドは月額980円で聴き放題。ジュークボックスのように好きな曲を選ぶ、好みのプレイリストを作る、ラジオを聴くように“ながら”で楽しむ、知らない音楽と出会うなど、さまざまな角度から音楽と触れあえる。前述の2サービスとは方向性も規模も異なるが、スマホからネット経由で大量の音楽を選んで再生するという点は共通している。

 いずれのサービスも十分な機能を備えていて、条件さえ整えばストレスなく音楽を楽しむことができる。逆を言えば条件が整っていないため、これらのサービスは今一歩実力を発揮できていないとも言えるのだ。