昨年(2014年)、“元年”として開始された「スマホ格安競争」が今年も続きそうだ。昨年は、流通大手のイオンやいわゆるMVMO(仮想移動体通信事業者)らの参入が相次ぎ、年末には通信大手のKDDIまでもが格安スマホ販売に乗り出した。子会社のKDDIバリューイネーブラーがauのLTEネットワークと京セラ・LG電子製の端末を利用して提供するサービスの月額料金は、端末代込みで従来大手の約3分の1となる2920円だ。
楽天子会社のフュージョン・コミュニケーションズ(以下、フュージョン)も、この競争に参加するMVMOの一社である。同社はこれまで、「楽天ブロードバンド」のブランドで、12年からNTTドコモの広域な回線ネットワークの高速データ通信専用SIMを提供してきた。昨年10月には通話と高速データ通信が可能なSIMとコストパフォーマンスが良いと評判の台湾ASUS製端末「Zenfone 5」とセットにして、「楽天モバイル」をスタートさせている。
そんなフュージョンが、Zenfone 5と通話非対応の高速データ通信専用SIMカードをセットで販売する新プランを開始した。
テザリングやアプリなど、電話以外の機能はほぼ通常通り使うことができる。090、080から始まる番号での通話はできないが、「SMARTalk」などIP電話アプリを使えば電話は可能。最大の特長は月額料金。月額900円でスマートフォンを持てるようになるのだ。
ちなみに現在はキャンペーンで初期費用が無料。解約手数料もかからないため、「まずは試しに」という人が気軽に利用を始められるのも嬉しい(端末は一括購入のみで、価格は2万6400円)。