社会的な「成功レール」の崩壊、どんどん不確実になる未来、SNSにあふれる他人の「キラキラ」…。そんな中で、自分の「やりたいこと」がわからず戸惑う人が、世代を問わず増えています。本連載は、『「やりたいこと」はなくてもいい。』(ダイヤモンド社刊)の著者・しずかみちこさんが、やりたいことを無理に探さなくても、日々が充実し、迷いがなくなり、自分らしい「道」が自然に見えてくる方法を、本書から編集・抜粋して紹介します。

「やりたいこと」をやった後の気持ちに注目しよう
「やりたいこと」という言葉の中には、自分の怠惰さから生まれるやりたいことも、自分の好奇心から生まれるやりたいことも、自分の理想の追求のためにやりたいことも、誰かのためにやりたいことも、全部まとめて入ってきます。
また、今、瞬間的にやりたいこともあれば、生涯をかけてやりたいという大きな目標を指すこともあるでしょう。
例えば寒い冬の朝、目覚ましが鳴ったときの「布団から出たくない。二度寝したい」という思いも、「ついつい朝までゲームをやってしまう」というのも、その瞬間の「やりたいこと」なのは間違いありません。
ただ、その「やりたいこと」をやった後、どんな気持ちになるでしょうか。
もし後悔や反省や自己肯定感の低下を感じるなら、その「やりたいこと」の先に自分の「道」が見えてくる可能性は低いです。
また、本当は掃除なんてしたくないのに「掃除をすべきだから、掃除がやりたいことだ」と思い込むような、「やりたいこと」と「すべきこと」を混同するケースもあります。
影響力のある人から「~すべき」と言われて、その「すべきこと」を自分の「やりたいこと」だと錯覚する場合もあります。
このようなやりたいことは実行するエネルギーが湧いてこないため、なかなか取りかかれないし、やり終えた後に感じる気持ちは、義務感からの解放です。
こういったやりたいことも前述と同様、その先に自分の道が見えてくる可能性は低いです。
「強み」を活かした活動だけが充実した人生につながる
なぜなら、充実した人生の道につながるのは、「強み」を活かした活動だけだからです。強みを活かした「やりたいこと」はやるとどんどんエネルギーがわいてきます。そして、無意識のうちに良い行動や結果をもたらします。
すると、自分に自信がつき、さらに誰かに喜んでもらえるという好循環が起こり始めて、理想の自分に向かう道につながっていき、充実した人生への道につながっていくのです。
理想の自分に向かう道は、やりたいことだけをやって生きることではありません。しかし、たとえ、やりたくないことをしなくてはいけない瞬間があったとしても、その道を進むためなら力が湧いてくるのです。
*本記事は、しずかみちこ著『「やりたいこと」はなくてもいい。 目標がなくても人生に迷わなくなる4つのステップ』(ダイヤモンド社刊)から抜粋・編集したものです。