社会的な「成功レール」の崩壊、どんどん不確実になる未来、SNSにあふれる他人の「キラキラ」…。そんな中で、自分の「やりたいこと」がわからず戸惑う人が、世代を問わず増えています。本連載は、『「やりたいこと」はなくてもいい。』(ダイヤモンド社刊)の著者・しずかみちこさんが、やりたいことを無理に探さなくても、日々が充実し、迷いがなくなり、自分らしい「道」が自然に見えてくる方法を、本書から編集・抜粋して紹介します。

7回転職、25年迷走してわかった!「やりたいことが見つからない」へのたった一つの答えPhoto: Adobe Stock

「やりたいこと」を無理に探していると、見えなくなることもある

これまで書いてきたように、人生において「やりたいこと」があると、確かにメリットがあります。今やるべきことが明確になり、成長が見える化され達成感も得られます。情報も集まりやすく、周囲からも応援されやすくなります。

一方で、デメリットもあります。

将来生まれる可能性に目を閉ざしてしまったり、未熟な段階で決めた目標に縛られたり視野が狭くなったりする危険性もあるのです。現在の幸せを犠牲にしたり社会の変化に適応できなくなったりすることもあります。

大切なのは自分自身に合った生き方を選ぶこと

つまり、「やりたいこと」や「目標」を持つことは、絶対に必要なことでも、絶対に避けるべきことでもないのです。それは個人の性質や価値観によって異なる選択肢であり、どちらが正解というものではありません。

大切なのは、自分自身がどのようなタイプなのかを知り、それに合った生き方を選ぶことです。

やりたいことを持つことで生き生きと輝く人もいれば、むしろやりたいことに縛られないほうが自由に可能性を広げられる人もいます。

目標を持つべきか持たざるべきかという二択ではなく自分の内側にある傾向や強みを知ることで、自分に合った道が見えてくるのです。

本書の「はじめに」でも書きましたが、私は「やりたいこと」を探して、それでもみつからなくて、7回も転職し、25年間も迷走しました。しかし、それに終止符を打つことができたのは、人にはそれぞれ「強み」があり、その強みのタイプによって「やりたいこと」が必要な人も必要でない人もいる、ということに気づいたからです。
そして自分自身は「目標」や「やりたいこと」を無理してみつけないほうが人生が充実するタイプだったのだと理解できたからです。

もし今、やりたいこと探しに疲れているのならいったん立ち止まって自分自身を見つめ直してみると、進む方向が見えてくるかもしれません。

本書では、人生の歩み方には大きく分けて「逆算型」と「積上型」という2つのタイプがあることを紹介し、自分はどちらのタイプに近いのかを知るためのヒントをお伝えします。

*本記事は、しずかみちこ著『「やりたいこと」はなくてもいい。 目標がなくても人生に迷わなくなる4つのステップ』(ダイヤモンド社刊)から抜粋・編集したものです。