ネットを開いて「同じ情報ばかりに触れているな」と感じたら、すぐに何をすべきか。
次々と新たなビジネスを仕掛ける稀代の起業家、佐藤航陽氏。数々の成功者に接し、自らの体験も体系化し、「これからどう生きるか?」を徹底的に考察した超・期待作『ゆるストイック』を上梓した。
コロナ後の生き方として重要なキーワードは、「ストイック」と「ゆるさ」。令和のヒーローたち(大谷翔平、井上尚弥、藤井聡太…)は、なぜストイックに自分に向き合い続けるのか。
『ゆるストイック』では、新しい時代に突入しつつある今、「どのように日常を過ごしていくべきか」を言語化し、「私自身が深掘りし、自分なりにスッキリ整理できたプロセスを、読者のみなさんに共有したいと思っています」と語っている。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

正しさの存在しない世界に生きる
今の時代においては、「自分を律するストイックさ」と、他人と違う考えを許容し干渉しない、「ゆるさ」という、相反するような価値観を同時に持つことが強さにします。
そうした「ゆるストイック」というスタイルがますます重要になってくるのです。
現代社会では、二極化が進んでいます。
そのような社会では、それぞれの立場において異なる「正しさ」が主張されています。
それが厄介なのは、そのどちらかが間違いなのではなく、「両方とも正しい」という点が存在するからです。
二極化の状況下で、人々は、「自分が見たいと思うものだけを見る」ようになり、自分の視点だけを「すべて」だと感じやすくなっています。
これは、個人の思想や価値観に強い影響を与え、結果的に現代社会に大きな分断を生み出しています。
実際の生活環境においても、このような傾向が顕著です。
たとえば、同じ都市に住んでいても、学歴や職業、年収、嗜好などが似た者同士で集まり、まるで同じ価値観や環境の中で生きているかのように感じてしまうケースが増えています。
こうした傾向により、自分とまったく異なる立場の人々と接する機会が減り、今見えているものが世界のすべてだと錯覚しがちです。
これは「フィルターバブル」と呼ばれる現象の一つです。
その現象が、ますます強力になってきています。
かつて、マスメディアが情報を一方通行で伝えることにより、少なくとも表面的には、「共通の真実」が形成されていました。
しかし、SNSの普及によって、アルゴリズムがその人が見たいと思う情報のみをレコメンドする仕組みが強化されました。
ためしに今、SNSを開いてみてください。
自分に合う意見や見解だけが表示され、似たような考えに接しやすくなっているはずです。
こうしたアルゴリズムの影響で、個人は自分と似た価値観を持つ人々とだけ繋がり、ますますその「泡」の中に閉じこもる傾向が加速しているのです。
だからこそ、それにあらがうために、「ゆるストイック」というスタイルが必要になります。
SNSを開き、「同じものばかりに触れているな」と感じたら、それにあらがうために、勉強や仕事に打ち込むようにしてください。
株式会社スペースデータ 代表取締役社長
1986年、福島県生まれ。早稲田大学在学中の2007年にIT企業を設立し、代表取締役に就任。ビッグデータ解析やオンライン決済の事業を立ち上げ、世界8ヵ国に展開する。2015年に20代で東証マザーズに上場。その後、2017年に宇宙開発を目的に株式会社スペースデータを創業。コロナ禍前にSNSから姿を消し、仮想現実と宇宙開発の専門家になる。今は、宇宙ステーションやロボット開発に携わり、JAXAや国連と協働している。米経済誌「Forbes」の30歳未満のアジアを代表する30人(Forbes 30 Under 30 Asia)に選出される。最新刊『ゆるストイック』(ダイヤモンド社)を上梓した。
また、新しくYouTubeチャンネル「佐藤航陽の宇宙会議」https://youtube.com/@ka2aki86 をスタートさせた。