ビジネスで成功する人がよく使う「カタカナ語」とは何か。
次々と新たなビジネスを仕掛ける稀代の起業家、佐藤航陽氏。数々の成功者に接し、自らの体験も体系化し、「これからどう生きるか?」を徹底的に考察した超・期待作『ゆるストイック』を上梓した。
コロナ後の生き方として重要なキーワードは、「ストイック」と「ゆるさ」。令和のヒーローたち(大谷翔平、井上尚弥、藤井聡太…)は、なぜストイックに自分に向き合い続けるのか。『ゆるストイック』では、新しい時代に突入しつつある今、「どのように日常を過ごしていくべきか」を言語化し、「私自身が深掘りし、自分なりにスッキリ整理できたプロセスを、読者のみなさんに共有したいと思っています」と語っている。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

「仕事ができる人」と「カタカナ語」
いまの時代に必要なのは、淡々とやるべきことを続け、そのプロセス自体を楽しむ姿勢です。
このスタイルを実践することで、私たちは、柔軟でありながら芯のある生き方を築き、厳しい二極化社会でも自分を見失わずに淡々とやり続けることが可能になります。
たまに大きな成果が出たら「ラッキー」くらいに考え、成果が出ても浮かれず、やることは変えずにコツコツと続けていくのです。
そのための思考として、「ゆるストイック」のスタイルを大掴みしましょう。
ゆるストイックでは、「独自性」がファーストステップになってきます。
独自性を発揮するためには、何をすればいいのでしょうか。
それは、「自分が活躍できるほどニッチな領域に絞り込む」というのが手っ取り早い方法です。
いわゆるカタカナ語を連発する人は、じつは「仕事ができない人」というイメージがありますよね。
でも、「ニッチ」という言葉は、ちゃんと押さえておいたほうがよいでしょう。
「ニッチ」は、もともと「隙間」を意味します。
ここでは、「強者と競争しなくて済むほど十分に小さなフィールド」と定義しましょう。
「ニッチ」という戦略しかない
よく、コンサルタントが、「市場規模やターゲットの大きさが重要だ」と語ることがあります。
それを鵜呑みにするのは危険です。
今は圧倒的な強者に見える大企業でも、ほとんど例外なく「ニッチ」からスタートしているものです。
それらが時代の波に乗って結果的に大きな存在になったにすぎません。
彼らも初めから広い市場を目指したのではなく、まずは「ニッチ」を見つけて独自性を発揮し、成長してきたのです。
たとえば、マイクロソフトは創業当初、ハードウェアを作る体力がなく、ソフトウェアに特化していましたが、結果的に今日の帝国を築き上げました。
もし、ビル・ゲイツが最初から資金に余裕があり、ハードウェアの開発に取り組んでいたら、現在のマイクロソフトは存在していなかったかもしれません。
また、ユーチューバーのHIKAKINさんも、地上波テレビでのダウンタウンのような存在を目指して芸能事務所に所属して修業していたら、今のような成功はなかったでしょう。
YouTubeは当時のテレビ業界に対して「ニッチ」な存在であり、だからこそHIKAKINさんはその場で独自性を発揮し、成功を掴むことができたのです。
自然界においても、すべての生物がそれぞれの「ニッチ」をもって棲み分けています。
それと同じように、ビジネスや個人の成功においても、自分に合った「ニッチ」を見つけ、そのフィールドで独自性を発揮することが重要なのです。
株式会社スペースデータ 代表取締役社長
1986年、福島県生まれ。早稲田大学在学中の2007年にIT企業を設立し、代表取締役に就任。ビッグデータ解析やオンライン決済の事業を立ち上げ、世界8ヵ国に展開する。2015年に20代で東証マザーズに上場。その後、2017年に宇宙開発を目的に株式会社スペースデータを創業。コロナ禍前にSNSから姿を消し、仮想現実と宇宙開発の専門家になる。今は、宇宙ステーションやロボット開発に携わり、JAXAや国連と協働している。米経済誌「Forbes」の30歳未満のアジアを代表する30人(Forbes 30 Under 30 Asia)に選出される。最新刊『ゆるストイック』(ダイヤモンド社)を上梓した。
また、新しくYouTubeチャンネル「佐藤航陽の宇宙会議」https://youtube.com/@ka2aki86 をスタートさせた。