あらゆる技術サイクルには、エンジニアと発明家が技術革新を加速させる時期がある。2010年代のマーク・ザッカーバーグ氏の言葉を借りれば、「素早く行動し破壊」する者が勝利を収める。われわれは現在、成熟した技術を利用可能にする物理的資産を所有し、それを拡大し続ける巨人企業が勝つという局面に入ろうとしている。これを「インフラの時代」と呼ぼう。企業は実際のモノに巨額の資金を投じている。それは主に、小さな半導体で埋め尽くされた巨大なデータセンターおよび半導体の接続・冷却に使われるあらゆるものだが、工場や不動産、エネルギーなども含まれる。想起されるのは、鉄道や鉄鋼といった産業を支配した実業界の巨頭や「泥棒男爵(robber baron)」の時代だ。そして当時と同様に、現在の巨大企業は多額の資金を投じる(そして借り入れる)能力を持ち、自らの「堀」をさらに深く、広くしている。人工知能(AI)分野の米新興企業オープンAIのような手ごわい競合でさえ、追いつくのは容易ではない。
新「インフラ時代」に君臨する巨大テック企業
石油王ロックフェラーや鉄鋼王カーネギーの時代との類似点も
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