データ分析ソフトウエアを開発する米パランティア・テクノロジーズのアレックス・カープ最高経営責任者(CEO)は2023年の早い時期に、人工知能(AI)関連の新たな商品を「現在開発中」だと発言した。同社のエンジニアらはそのような商品は手掛けていなかったことから、カープ氏の発言は驚きを持って受け止められたという。だがカープ氏はこの時点で世界が進む方向を見抜き、その秩序を変えることになる最新トレンドの中心にパランティアを据えた。同氏はエンジニアらが製品を開発できるはずだと賭け、エンジニアらも結果的にこの期待に応える形となった。パランティアは現在、企業としてトランプ政権内でカギを握るプレーヤーとなり、国家安全保障に不可欠なツールも手掛けている。AIへの無謀な参入を試みた決定は、同社をこの地位に押し上げた一連の判断の一つとなった。