10年連続で算数オリンピック入賞者を輩出している彦根市発の知る人ぞ知る塾「りんご塾」。天才を生み出すそのユニークな教育メソッドを、塾長の田邉亨氏が初公開した書籍『10年連続、算数オリンピック入賞者を出した塾長が教える 「算数力」は小3までに育てなさい』(ダイヤモンド社刊)が、話題になっている。本書を抜粋しながら、家庭でも取り入れられるそのノウハウを紹介する。

子どもがほしいのは「ご褒美」ではない。カリスマ塾長が気づいた子どもが本当にほしいものPhoto: Adobe Stock

子どもに教えてもらった、「お菓子はご褒美ではない」ということ

りんご塾では、子どもたちが帰るときにお菓子を1つ渡しています。これは、えさで釣るというよりは、今日頑張った報酬としてあげています。

子どもの中には、機嫌が悪かったり、問題をたくさん間違えたりすると、ギャーッと泣く子もいます。すると、帰り際に「おやつどれがいい?」と聞いても、「いらない」と断ることがあるんです。

それを何度か目撃していて思ったのは、「この子は今日、お菓子をもらう権利はないと思っているんだな」ということ。僕は真面目にやらなかった、ごねてやらなかったから、「いや、僕は今日はいらない」となるんだなって。

子どもはお菓子が欲しいから頑張るのではなくて、頑張った結果を正当に評価されるのが嬉しいのです。

だから、ご家庭においてもえさをぶらさげてやる気を引き出そうとするのではなく、頑張った結果を褒めてあげてください。

*本記事は、『10年連続、算数オリンピック入賞者を出した塾長が教える 「算数力」は小3までに育てなさい』(田邉亨著・ダイヤモンド社刊)から抜粋・編集したものです。