可能ならばその場で警察官に注意してほしいが、信号無視や一時不停止と異なり、いつどこで行われるかわからない車道への飛び出しを、警察官が取り締まるのはハードルが高いだろう。青切符導入までに私たちができることは、地道に注意喚起していくこと、この方法に尽きるのではないか。

 なお注意喚起という点では、私は本記事を通して「自転車の一時停止」についても注意を呼び掛けたい。実は、自転車の一時停止には「落とし穴」が隠れている。

自転車は“車両”だが
“自動車”ではない…だから危ない

 一方通行の出口に設置されていることの多い、赤丸に白色の横線が入った「車両進入禁止」の標識を想像してほしい。ここに補助標識で「自動車・原付」となっている場合、この道を自転車は走行することができ……る。なぜなら侵入禁止の対象は自動車・原付だから。

 ここで問題なのは、一方通行を逆走する形で進んでいく自転車には、一時停止の標識がない場合が少なくないことだ。つまり自転車からすると、標識に従って走行するだけでは、横から飛び出してきた車や自転車(優先道路側の車両)に衝突する危険がある。

一方通行の道路の入り口一方通行の道(ただし自転車は走行できる)を進んでいくと⋯ 撮影=筆者
自転車にとって危険な交差点信号のない十字路があり、左側から車で出くるが、「止まれ」は反対側にしか書いてない 撮影=筆者

 
 今回の青切符導入に伴い、自転車は原則として車道通行、このルールを改めて意識した人は少なくないはずだ。これはつまり「自転車は車の仲間」という認識が生まれることを意味する。この意識は不幸な事故を減らし、安全運転の実現のために重要だが……。そのうえで、「自転車は車とまったく同じではない」ことも同時に周知していく必要がある。