
AIは使用者のレベルによって、回答の精度も変わります。曖昧な指示では、AIは曖昧な回答を生成することしかできないからです。ではAIに真価を発揮させるためにはどうすればよいのでしょうか?新刊『仕事が10倍ラクになるずるいAI活用術』(青春出版社刊)から、著者の水野操氏がAIとうまく協業するために必要不可欠な「いい指示の出し方」を教えてくれます。
AIの「使いこなし」が勝敗を分ける
多くの人が生成AIの能力を知り、もはや社会人だけでなく学生から子供まで触れる機会が飛躍的に増えている今、問われているのはその「使いこなす力」である。
「使いこなし」が重要なのは、AIというツールは使い方次第で得られる成果に天と地ほどの差があるからだ。同じAIツールを使っていても、ある人は驚くほどのスピードで質の高いアウトプットを出しタスクをこなす一方、別の人は時間をかけても平凡な結果しか得られず、「AIは思ったほど使えない」と早々に見限ってしまう。この差はAIの性能ではなく使う側のスキル、つまり使いこなしのレベルに起因する。
AI活用で成果を出すには、目的に応じた適切なツール選択が重要である。文章作成が得意なAI、データ分析が得意なAI、画像生成が得意なAI、それぞれに個性と得意分野がある。汎用AIと呼ばれ多目的をこなしてくれるChatGPT、Copilot、Geminiでさえ、その背景にある技術や学習データ、連携するサービスの違いから、微妙な得意・不得意が存在する。